おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
一般のお店をオープンさせる時でもそうですが、どんな価格帯の商品、どれ位のニーズの商品をどれ位取りそろえるかで収益率が変わるのです。
例えば「タイ焼き」も最近はアンコだけでなくカスタードやピザ味など様々なものを取りそろえたお店が増えています。
だから、アンコのタイ焼きを販売していたお店がお客さんの要望に対応する為にカスタード味も取り扱うとします。
すると原価率が変化して残る利益が変わるのです。
例えばアンコを1日100個売っていたお店がカスタード味を取り扱った場合、
両方で200個売れるのならば良いのですが実際にはアンコ70個、カスタード味50個の様な売れ方をします。
すると商品数を増やしたことが経営面ではマイナスに働くのです。
準備の為の手間が増え材料の仕入れが増え固定費も増える。
商品数を増やすことで顧客が増え販売量も増えるのであればセット買い等(アップセル、クロスセル)で収益も増やせるでしょうが「ただ、単に商品数が増えているだけで経営の役に立つどころか逆に足を引っ張っている」ことも多いのです。
歯科医院でも実際にう蝕治療の技工物によって収益性が変わりますよね。
患者の口腔内の問題を解決しようと対応できる治療技術の幅を拡げたり「患者の需要があって経営的にもプラス」だと聞いた治療システムを取り入れたりされる院長も多いと感じます。
しかし、それらは実際にどれだけの人数の患者の治療に貢献し、その価値が地域に伝わり患者を集め、経営的な成果に繋がっているのでしょうか?
「売上に対して原価と手間が低いもの」「手間と原価はかかるが高く売れるもの」が沢山売れれば収益性が高く、たくさんの治療コンテンツを扱っていても販売量や収益性が低いものが多ければ経営の足かせになるのです。
経営の手法は沢山ありますが、固定費を賄う売上を確保した後にどれだけ商品が売れるのかが勝負です。
何故なら損益分岐点を超えた売上には変動費しかかからず収益性が高いからです。
これからの時代は多くの歯科医療需要の中のどの治療コンテンツを選んでお店の商品構成にするのかが経営的に重要になります。
知合いの院長が導入して上手くいったからと真似して導入してビミョーな売上しか確保できていない歯科医院が多くありますが、そういう失敗を積み重ねていくと貸借対照表の性能が低下し収益性が低い歯科医院になっていくのです。
そこそこの売上しか確保できず患者への貢献度が低い商品であれば思い切って断捨離し、そこに使っていた経営資源を患者の需要があり収益性が高い方に振り向けたら良いのにと思うのです。
医療は商品販売ではないと考えられる院長もおられるでしょう。
しかし、魅力的な商品に見せなければ患者は自分にとって必要な治療を受けようとしないし、先生が真摯に磨いてきた治療技術があっても患者に必要だと言われなければ患者を救うことは出来ないのです。
一つ一つのコンテンツを売れるようにしながら増やしていく。
1.5次多機能型歯科医療機関の様に総合力と質の高さをブランドにする。
すると「範囲の経済性」が働き医院の収益性が高まるのです。
私は医療にこそ「マーケティング+ブランディング」「管理会計」「営業」などの技術が必要だと考えています。
それは医療機関が身につけるべき重要な「手段」であり、患者を健康にしていくという「目的」の達成を目指す長期管理型歯科医院を築く為に必要不可欠なものなのです。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00