おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院経営に関わって感じるのは、「歯科の保険医療の品質をどこまで高めることが正解なのか?」ということです。
歯科医療自体はどんどん進化しており医療としての品質は高くなってきている。しかし保険医療で患者に提供できる治療品質には限界があるからです。
しかも診療報酬は思うほど上がらないのに国が歯科保険医療機関に求める歯科医療の範囲が増え品質も高くなってきている。
だから、院長は経営者として保険医療のどこにポジショニングしてどれ位の治療品質を目指すことが経営的に許容範囲なのかを考える必要があるのです。
先生が「保険の患者にも医院が提供できる最良の治療を提供したい」と考えられるなら、現実面の課題として経営的にも成立する方法を考えなければ長続きはしないのです。
例えば、患者ひとり一人に時間をかけて丁寧に接したいし提供する歯科医療の品質に制限をかけたくないと先生がお考えならば「患者単価」を上げる必要がありますので自由診療までが視野に入ってくる。
・ご自分が提供できる最良の治療を患者に提供したい
・保険医療制度に沿った範囲で歯科医療を提供するのが保険医療機関としての努めでありそうしなければ経営的にも成立しない
という二つの思いが院長の心の中で葛藤して苦悩されるのだと感じます。
保険医療機関で相反する二つの側面を成立させるには、
効率化させても良いことと治療品質として譲れないことを明確に分けていくことです。
そして治療品質としてどうしても譲れないが保険では採算が取れない場合には考え方は二つです。
①収益性が高い他の保険治療や自費治療の収益で不採算部分をカバーする。
②自費化することによって提供する治療品質を保つ
を院長は決断しなければいけないのです。
その代表的な治療が「根管治療」でしょうか。
治療技術を高める為に学術セミナーにも通い、CTやマイクロなどの設備を整え、ラバーダム防湿もおこないながらも保険で根管治療をおこなうドクターは多いと感じます。
だからと言って自費化するべきだとは私は思いません。
それは院長の信念によるものなので院長が腹落ちしないと自費化しても上手くいかないからです。
院長が自費化すると決断されるなら更に治療品質を高めて患者に喜んでもらえる様にすれば良いし、自費化しないのならば不採算であることを認識して経営的にどうカバーするのかを考えれば良いからです。
私は開業医団体で勤務していた時代に真摯に歯科医療に取り組んでおられるのに経営的には上手くいっていない院長とも多く交流してきました。
だから私はそういう歯科医療に真摯に取り組まれるの院長が大好きですし尊敬もしているのです。
しかし、「真摯に歯科医療に取り組まれる院長には経営的にも成功して頂きたい」と考え開業医団体から独立開業してからは、院長の「品質」と「効率」による心の葛藤に寄り添って一緒に悩み、必要な時には背中を押すと決めた。
そういう志の高い院長が成功する歯科界を作らなければ日本の歯科医療に未来はないと感じたのです。
保険医療制度はこれからも変化していくでしょうし、院長はその度に悩まれるでしょう。
もちろん、私の使命は私のことを信じてご契約して頂いているクライアントの院長に寄り添い支えることで今後もそれは変わらないのですが、全国で患者と地域医療を守る為に奮闘されている院長も何らかの形で応援したいとも思うのです。
私を応援してくださる方からアドバイスを頂き、2024年はセミナーも開催していくことを決めました。
その為には自分自身をもっとレベルアップしなければならないと思うのですが、私が身につけている知識や情報を必要とされている院長に提供していければと思っています。
また、具体的な日程が決まりましたらこのブログでも案内しますね。
では、激動の2024年、油断せずに乗り切りましょう!
Posted at 05:11