おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
「歯科保健医療ビジョン」で示された方向に今後の診療報酬改定は実施されていく。
そう感じます。
歯科保健医療ビジョンでは「あるべき歯科医師像とかかりつけ歯科医の機能・役割」について
• 歯科疾患の予防・重症化予防や口腔機能に着目した歯科医療の提供
• 医療安全体制等の情報提供
• 地域保健活動への参画や、住民に対する健康教育、
歯科健診等の実施
Ⅱ 切れ目ない提供体制の確保
• 外来診療に加え、訪問歯科診療提供体制の確保
• 訪問歯科診療を実施していない場合は、実施している歯科医療機関との連携
体制を確保するなど役割分担の明確化
Ⅲ 他職種との連携
• 医師等の医療関係職種、介護関係職種等と口腔内状況の情報共有等が可能
な連携体制の確保
• 食支援等の日常生活の支援を目的とした他職種連携の場への参画
・自院で対応できない患者については、他の歯科医療機関との診療情報の共有など連携を図り、適切な歯科保健医療を提供できるように努めることが必要
と示しています。
以前の改定では「か強診」基準を取得できない歯科医院に「支援診への紹介も回数にカウントする」となっていました。
それでも訪問をしない歯科医院に対して2024年の改定では「地域の在宅歯科医療の連携窓口等との連携による歯科訪問診療の体制確保」が提示されているのです。
歯科医院に来院する患者へは「重症化予防」「口腔機能回復」が求められており。
そして「う蝕・歯周病なし」の患者には「予防」「口腔機能の維持・向上」が求められる。
昔のう蝕治療型歯科医院ではなく、歯科医療に求められる役割が変化していることが示されています。
そこに「訪問歯科医療」や「連携」等を加えたものが地域包括ケアシステムにおいて歯科医療機関が果たすべき役割となっているのです。
2024年の歯科診療報酬改定だけでなく、2026年も2028年もそれ以降も歯科保健医療ビジョンに沿った診療報酬改定が実施されることは間違いないと考えます。
最終的に国が実現したいのは「未病段階で健康に戻す」です。
その目的を果たす為には「ゲノム編集」「エクソソーム活用」「遺伝子スイッチ」「再生医療」などが実用化を経て汎用化するのを待つ必要がありますが、歯科を含む医療全体が果たす役割が少しづつ変化していることは間違いないのです。
経営者としての院長に必要なのはマーケティングにおいて「ポジショニング」を明確にすることです。
開業されている場所によって医院によって経営環境が違い、経営資源が違い、地域連携のネットワークも違いますので、「いま踏み出すべきなのか」「もう少し後にするべきか」それとも「踏み出さずに現在のマーケットで踏ん張るか」を判断しなければいけないのです。
ただし、国が歯科医療に求める方向性は変わりませんし診療報酬も「歯科保健医療ビジョン」に基づいて改定整備されていく。
さて、2024年の歯科診療報酬の改定の概要は出されました。
先生はどこにポジショニングし、どちらの方向に医院の舵を切っていかれますか?
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00