おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
今日からしばらくはユニット3台の歯科医院の院長の今後の戦略について考えてみます。
もちろん開業地域や医院の経営資源によって戦略は違うのですが、今日はそれをいったん横に置いてみて考えてみます。
今日は「採用」の話です。
これから歯科衛生士をはじめとするスタッフの採用が小規模零細歯科医院では絶望的になっていきます。
理由の詳細は省きますが、すでに大きな歯科医院は採用で有利になる為の対策やスタッフの長期雇用への取組みを強化していますので、医療関係への入職者のうち大部分は規模が大きく教育体制も整った医療機関を選ぶからです。
ではユニット3台の院長はどう動けば良いのでしょうか?
それは「大きな歯科医院では荷が重い」と考える人が応募してくる働きやすいアットホームな歯科医院を作ることです。
応募してくる人は多分、能力はあっても自尊感情が低い人。
だから、本人の目の前に高すぎる壁が登場しないように一歩づつ成長に導く必要があるのです。
この時に院長が失敗しやすいのは、新人スタッフが退職しないように気を使い過ぎて、今いるスタッフへの配慮を忘れてしまうことです。
院長が新人スタッフを大切にし過ぎると既存スタッフの自己重要感が下がるのです。
すると既存スタッフが新人スタッフを見る目が厳しくなる場合がある。最初のボタンをかけ間違うと修復は不可能なのです。
院長は新人スタッフへの配慮はしながらも新人スタッフが既存スタッフに受け入れられる様に、日頃から既存スタッフを大切に扱って自己重要感を高めていかないといけないのです。
既存スタッフが「私は院長に必要とされているし大切にされている」と感じていない医院では、以下に書く採用戦略を実行したところで人が定着することはありません。
では、採用戦略です。
小規模零細歯科医院の院長は「スタッフを募集していますが応募がありません」と仰います。
しかし、「どんな媒体に広告を出しどんな方法でスタッフ採用への努力をされていますか?」とお聞きしても答えられないのです。
そう、大型歯科医院と比べて採用的に不利な上に、採用に繋がる努力が足りていないことが殆どなのです。
私は「サッカーでもシュートしなければ得点が入ることはありません」とお話するのですが、少なくともハロワークを含む複数の媒体に募集を出し、スカウトメールも送り、募集広告の内容を定期的に見直すことは最低でも行う必要があります。人材紹介会社にも登録してくださいね。
そして、募集広告を見て興味を持った人はホームページや医院や院長のSNSを見て「どんな院長でどんな雰囲気の歯科医院なのか?」「人間関係は良さそうか?」「学べる環境か?」等を確認しますので、写真を使って院内の雰囲気や院長の人柄を伝えたり、院内イベントや勉強会の様子をSNSで発信したりする必要があるのです。
とにかく、昔に多かった「俺様医院」では採用も定着も絶望的です。
とくに歯科衛生士には口コミネットワークがありますので、働いた歯科衛生士が院長から受けた仕打ちは口コミで拡散することを忘れてはいけないのです。
あと、チャンスがあった時に採用できる様にユニット3台であってもスタッフが活躍できる場を用意していくことも必要です。
人が足りていると院長が思っている時に応募があり、採用を見送ったらスタッフが退職したというのは採用アルアルなので、機会損失をさける為にも院長は次の経営戦略を考えておかないといけないのです。
とにかく既存スタッフの自己重要感を高めながら各種媒体に募集広告を出してください。
でなければ小規模零細歯科医院の採用の可能性は限りなく「ゼロ」に近づいていくからです。
Posted at 06:00