おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
最近では、バス路線の廃止が連続して発表され2024年に予定される「物流の2024年問題」によって状況は更に悪化する予測が出されています。
バス路線の廃止や減便が続けば住民は病院や買い物に出かける手段の一つを失うことになり、都市部に住む子どもが親を呼び寄せたり家族ごと都市部に引っ越しするなど人口の社会的流出が加速することになる。
そしてこれらによって、住民の生活動線も変化するのです。
例えば、40歳代の家族がバスの減便によって不便になっても地元愛から引っ越ししないと決意したとしましょう。
しかし、通勤手段であったバスが減便された為に都市部に働きに出かけている夫は朝早く出て帰ってくるのも遅くなったのです。
このことにより仕方なく車での通勤に切り替えたのでした。
一見、何のことか分からないかもしれませんが、夫の通勤手段が変わったことで買い物をするお店が変わったり治療に通う歯科医院が変わる可能性があるとしたらどうでしょうか?
人は自分の一日の行動範囲やパターンに合わせて購買行動を変えます。バス移動であれば降りたバス停の周辺でお店を見つけますし車なら少しぐらい通勤経路から外れても魅力があるお店には行くのです。
私たちは気づいていませんが、地域社会では少しづつそういう変化が進んでいる。
そしてその変化がお店や医療機関経営にも少しづつ影響を及ぼす様になっていくのです。
国が推進する政策による影響もあります。
例えば、女性や65歳以上で働きに出る人は国の思惑通りどんどん増えています。
ということは、いままで日中家にいてお昼の時間帯に歯科医院に通えた人が夜や休日しか歯科医院に行けなくなるということなのです。
国の政策や地域の変化によって、そこで暮らす人たちも変化せざるを得なくなる。
しかし、歯科医院の院長はその微妙な変化によって将来的にどうなるのかに気づいていないしどう対策をすれば良いのかも分かっていないのです。
これから「スマートシティ構想」や自治体による人口の奪い合い競争によって周辺地域は大きな影響を受けるだろうと感じます。
地域は生活や仕事に必要不可欠なインフラなどのパーツが維持されて初めて人口規模が維持されますので、そのパーツが一つづつ欠けていくことで街の活力は奪われていくのです。
日本社会に起こりつつあるマイナスの変化はそんなに生易しいことではない事を歯科の院長も経営者として自覚して頂きたいと思うのです。
あっ、ちなみに東京などの大都市部では更に深刻な問題が進行していますので次の機会に書きますね。
テーマ:経営環境の変化
Posted at 05:00