おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
2024年の診療報酬改定論議は第二ステージに入り「入院医療(急性期)」の論議が進んでいます。
急性期病棟における患者のADL改善を進め回復期への下り搬送をどう進めるかが一つのテーマでもあります。
保険者側には急性期から回復期への下り搬送を推進して医療費を下げる思惑もあり、2025年を目前にし「入院医療⇒自宅」への地域包括ケアシステムへの移行スピードによっては医療や介護ケアが届かない患者が増えることが危惧されるのです。
この事が歯科医療にどう影響するのか?
それは限られた診療報酬改定予算が地域包括ケアの体制整備に重点的に配分される傾向が更に強化されるということです。
地域包括ケアシステムにおいて病院を退院した患者の地域での受け皿は十分とは言えず、国が考えるスピードで「病棟⇒自宅」に患者が送られた場合には十分な医療ケア、介護ケアができずにADLの悪化から「寝たきり」「再入院」となる可能性が高い。
地域医療も介護、福祉もマンパワーや経営の体力が不足しているのです。それでも現場で働く方々は懸命に患者を救おうとしておられるのですが・・・
歯科医院も経営力不足、マンパワー不足によって地域包括ケアシステムにはなかなか入っていけていない。
既存の歯科医療需要においても救うべき患者は多くいて、経営規模から考えても経営資源を集中せざるを得ない状況があるからです。
しかし、そういう中でも地域包括ケアシステムはやや強引に推進され、診療報酬も重点的に配分される状況が続きます。
既存の歯科医療需要に対する配点も口腔機能など解決するべき新たな分野が増えていますので「すべての歯科医院にプラスになる配点は縮小されていく」のです。
すでに、「初再診料」の引上げには根拠がないと保険者側から批判されているのです。
ポジショニングが重要な時代になったと感じます。
変化を続ける保険医療政策を読みどこにポジショニングすれば生き残れるのか?を経営資源が限られる中で院長は判断しなければならないのです。
そして、その正しい判断は地域と医院によって違ってくる。
だから先生が開業されている地域の「医療」「介護」「福祉」「自治体政策」「高齢化率」「人口構成」「健康指標」・・・などの現状を調べて、自院の経営資源を使ってどこに集中的に投下するのかを決めて頂きたいのです。
例えば沖縄県の院長と愛知県の院長では戦略がまったく違う。
地域のマーケットの中にしか答えはないのです。
さて、先生はどの方向に船の舵を切られますか?
Posted at 05:00