おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
昔は歯科医院もユニット3台で診療している場合はスタッフ数も少なく設備にかかるコストも大きな負担にはなりませんでした。
院長はう蝕の新患を集めて歯科衛生士にサポートしてもらいながら2~3列の患者を診て高速回転型で経営が成立したのです。
1989年から「8020運動」が始まり、歯科医院も歯科衛生士の採用を増やして「予防型?」といわれる診療スタイルの医院が増えていきました。
その中の一つに「ファミリー型歯科医院」があります。
しかし、「家族みんなの健康を守る」をコンセプトにしている歯科医院も規模はバラバラです。
歯周病治療から歯周病管理に移行する患者がどんどん増えてユニットを拡張していった医院と、拡張できずにそのままの規模にとどまった医院があるのです。
その「拡張できずにそのままの規模にとどまった」ファミリー歯科がこれから試練を迎えるのです。
理由は、
・人件費や設備費などの固定費に対する収益性が低いこと
・生産性を高めにくいこと
・治療コンテンツのブランド力が弱いこと
・スタッフのライフイベントへの対応力が弱いこと
・採用力が弱いこと
・歯科衛生士の予約枠が増やせない為に機会損失が生まれること
・売上を増やしていく対策が限られること
・スタッフの給料を上げていく為の原資を確保しにくいこと
です。
新しいことをしなくても毎年コストが増えていくから営業利益は増やし続ける必要がある。
それが経営の基本です。
しかし拡張性がないことで営業利益を増やす手段の一つを失うことになるのです。
ブランド力が弱いと採用力も弱くなり、それなりのスタッフ数が必要な医院であるにも関わらず採用できずにこれから5年でマンパワー不足に陥る可能性が高い。
歯科衛生士のライフイベント対応や退職で枠を閉めざるを得なくなったり、無理してスタッフの給料を上げて営業利益を減らしたり、強い競合が近隣に開業することによって自費売上が減る可能性もあるのです。
2022年時点で医療や保育の専門職の「未充足求人」が32万人もあることを忘れてはなりません。
だから、院長は限られた拡張性であっても生産性を上げたり収益性を高めたりして今いるスタッフの給料を上げていくことを求められる。
それが出来ないならばマンパワー不足によってジリ貧経営になっていくのです。
コストが増え続けていく中で営業利益は増やしていかなくてはいけない。
逃げ切り世代なら無理する必要はありませんが、お若い院長には避けることが出来ない現実なのです。
Posted at 05:00