おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
全業種において人手不足が拡がっています。
2022年の統計では「未充足求人」が最も多いのが医療福祉分野で23万人、これから高齢化によって医療福祉分野の人手不足は更に悪化していくのです。
人手不足を後押ししている要因の一つに「労働投入量の減少」があります。
例えば非正規雇用が増えたり、残業を抑制したり、有給休暇取得を促進することで労働者一人当たりが働く時間が減っているのです。
物流の2024年問題や医師の働き方改革などで労働投入量は更に減っていきます。
ヨーロッパの様にDX化によって生産性を上げようとしているのでしょうが、10年遅れている日本がどこまで生産性を上げられるかの瀬戸際に私たちはいるのです。
そのことが歯科医院経営にどう影響するのか?について考えてみます。
例えば、歯科医院でもスタッフの労働環境の改善や賃上げ、時短などが行われています。
つまり、何も対策をしなければ歯科医院の労働投入量は減っていくのです。
だから労働投入量が減っても営業利益が減らない対策が必要、つまり生産性の向上などによって労働投入量の減少をカバーする必要があるのです。
まだ平日の夜遅くや日祝に診療をして売上を上げている歯科医院がありますが、労働環境の改善をおこないながら長時間診療に対応するにはより多くの人を雇用する必要があり、人手不足の中でいつまでその経営モデルが続けられるのか疑問に感じるのです。
休日が増え時短が進み、マンパワーが不足して労働投入量が減少していくなかで院長がチェックしておく必要があるのが「損益分岐点売上と収支分岐点売上」です。
固定費割合が高く安全余裕率が低い歯科医院では労働投入量の減少によって月によっては赤字になっている可能性があり、赤字体質に陥らない様に経営体質の改善が必要だからです。
以前、「歯科医院も週休3日にした方が良いのですか?」とご質問をいただき「医院の経営状態によって違います」とお答えしました。
週休3日で給料が他の医院より高ければ採用には有利になりますが、労働投入量が減ったり人件費が増えるのであればそれに対する対策が出来ていないと経営的に問題があるからです。
労働投入量が減っても営業利益が増える対策法を歯科医院の院長は用意できるのか?
その事が経営者としての院長に問われているのです。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00