おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
2024年診療報酬改定論議の第二ラウンドがスタートしました。
第二ラウンドの論議のスタートは「在宅その2」(その3があるかも)。
「在宅その1」「歯科医療その1」での論議では「在宅」「連携」「口腔機能管理」「重症化予防」「か強診の役割」「病院歯科の役割」が主な論議のテーマとなっており、前回の診療報酬改定から一貫したものとなっている。
保険者側の委員からは「歯科で予防的分野に診療報酬の適用が拡大していることや実績なしに基本診察料が増点されていることに強い懸念を持っている」との指摘がされており、重症化予防分野の拡充を求める診療側と今後の診療報酬論議の対決点なっていくと思われます。
また、医科の「在宅療養支援診療所」や歯科の「在宅療養支援歯科診療所」は増加傾向だったものが医科は平成29年、歯科は令和2年から減少しています。
コロナによる訪問件数の減少により小規模医療機関が施設基準を満たせなくなったのかもしれませんが、前回の改定で支援診2の点数が引き下げられたこともありコロナ前ほど小規模歯科医院は施設基準の取得に動かない気もします。
一方、病院で施設基準を取得するところはコロナ渦でも増えているのです。
診療側委員からは「訪問における20分ルールの見直し」や「訪問歯科衛生指導の改善」「糖尿病や喫煙などの指導への評価」「口腔機能トレーニングへの評価」「市場価格に左右されない歯科材料の導入推進」「歯科衛生実地指導の見直し」なども要望として出されています。
以前、このブログで書きました様に「小規模歯科医療機関では国が進める地域包括ケアシステムの質に対応していくのは困難」という審議会での指摘が示す様に、今後の地域包括ケアの担い手の中心は病院や1.5次歯科医療機関などの比較的規模が大きい経営体になっていくのではないかと私は考えています。
では、歯科医院の院長は診療報酬改定にどう対応していけば良いのでしょうか?
主な選択肢としては、
①経営的な体力をつけながら段階的に新しい歯科医療需要分野に参入する。
②選択と集中を考えて新しい歯科医療需要分野には参入しない。
③新たな歯科医療需要分野(ブルーオーシャン)に積極的に参入して一気に地域シェアを取る
があります。
新たな歯科医療需要分野は歯科医療としては対応が必要不可欠な分野です。
ただ、それらはプロダクトライフサイクルにおける「成長期」に入っておらず、経営面だけで見れば採算は取れない。
従って、どのタイミングで参入するのか?それとも参入しないのか?は医院によって個別に判断するべきことであり、地域の連携体制構築の進捗状況によっても変わるのです。
他にも「か強診基準」「新興感染症への対応」「小児や障害者医療への対応」「歯科固有の技術」なども議題に上がっており、「歯科医療その2」の論議で更に具体的な論議がされる予定です。
これらの改定も「改定率」をめぐる攻防に左右されます。
岸田政権は財務省の影響を色濃く受けていますが、そこに日医がどれだけ切り込めるか?に注目です。
11月には財務省の「建議」も出されるでしょうから、また、状況が動きましたらブログで書きますね。
Posted at 05:00