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◆歯科医院経営ブログ

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歯科医院の管理型組織と委任型組織の長所と短所  [2023年10月05日]
 
おはようございます。
 
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
 
組織マネジメントの理論には様々なものが存在しますが、どの成長段階の組織にも合う万能な理論は存在しないと私は考えています。
あるのは「どの理論をどれ位カスタマイズして取り入れるとその組織に合いやすいのか?」ということ。
 
 
 
 
歯科医院にも大きく分けて「管理型組織」「委任型組織」「院長トップダウン型」「みんなで一緒に型」「放任型」などが存在する。
「放置型」以外のどれが良いという事ではなくどれもが一長一短があるのです。
 
ちなみにスタッフ個々の成長度が高い組織のみ「放任型」が機能し成果も出せます。
 
 
 
 
例えば、経営面だけを重視して組織を作るなら「管理型組織」「院長トップダウン型」が成果を出せます。
多くの場合には規律だけではなく成果報酬を組み合わせますので社員は「自己保存」の為に成果をだそうと動機づけられるからです(退職者は多い)。
 
一方で経営の数字には表れにくい歯科医療にとって人として大切なことは後回しになる傾向があり、チームメンバーが悩んでいても気づかなかったり「医院の目的達成の為に後輩を育てる」など評価の対象にならないことは取り組まない人も出てくるのです。
成果報酬による評価の欠点をカバーする為に360度評価なども登場しましたが、これも運用面で課題があるのです。
 
 
 
 
 
一方、ピーター・ドラッカーが提唱したMBO(目標管理制度)では会社が設定する「Have to」と本人の中から生まれる「Want to」の擦り合わせをするコーチの技量が問われます。
多くの場合にはスタッフの「Want to」は漠然としていることが多く、仕事の目標を達成させるという動機をもったコーチが無意識的に「Have to」の中からやってみたいことを選ばせる傾向が強いからです。
 
 
 
 
 
では「委任型組織」はどうでしょうか?
委任型組織で組織運営ができるのは成長度の高いスタッフが一定数以上いる歯科医院です。
 
例えば、開業時からスタッフと話し合って委任型組織を目指すと関係性は良いのですが個人と組織の成長スピードが遅くなる。
やはり、「委任型」の前段階では徹底したティーチングによって個々人のレベルを上げていく必要があり、成長度が高いメンバーが増えなければ成果も出せる「委任型組織」は作れないのです。
 
 
ちなみに、個々の完成度が高いメンバーで作るのがティール組織(放任型、自走型)であり、これは育てるというよりは完成度の高い人材を集めるというアプローチの方が現実的だと考えます。
 
 
 
 
 
歯科医療と言う社会的使命を担う歯科医院と経営的に厳しい環境に置かれている歯科医院。
 
そんな歯科医院が医療面と経営面で成果をだしていく為には、先ずはティーチィングの仕組みを構築して鍛え上げ、次の段階でコーチングの技法を正しく使ってスタッフのトップ20%を権限委譲レベルに引き上げる。
そしてトップ20%がリーダーシップの経験を積みながら次世代を育てていく実学を積み上げるのです。
 
 
同時にトップ20%のスタッフには経営的な課題を解決する打合せにもどんどん参加してもらって、幹部スタッフが「質の高い歯科医療を地域の方々に提供する為には(目的)経営面を重視する必要がある(手段)」という考え方が出来るように導いていく。
 
 
 
 
 
幹部スタッフが下のスタッフを育てる実学を積み経営的な視点も持てる様になってくれば「委任型組織」作りのスタートです。
「委任型組織」は一部の重要な役割の委任から始まって少しづつ委任する役割のレベルを上げていくのです(コントロール力を段階的に手放す)。
 
 
 
 
スタッフが院長の理想通りに動かなければ「コントロール(管理)」を強めようとされる院長がおられますが、組織内のコントロール力や課題達成力を一気に強めると「集団維持力」を担っていたスタッフが退職し「課題達成」と「集団維持」のバランスが崩れて退職の連鎖に繋がります。
 
私は院長に「アクセルを踏み込んでも耐えられるボディ・エンジンなどを作らなければ空中分解します」とお話しますが、上手くいっていない組織はボディから軋む音が聞こえてくるのです。
 
 
 
 
コントロール力は外発的動機づけ(劇薬)。
 
即効性はあっても効果は長続きはしない。
 
スタッフ個々と組織の成長に伴って手放していくものなのです。
 
Posted at 05:00
 
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