おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院の経営や組織づくりに長年関わりいろいろな歯科医院の診療を見学してくると、治療や患者コミュニケーション、消毒・滅菌、印象、石膏流しなどのレベルややり方の違いを多く観察することになります。
「成長の三角形」を理解して理想と現実の差を埋めようとされている医院もあれば低い品質のままで変わらない医院もある。
しかし、患者満足に関わる部分の品質が向上しなければ経営にも影響を及ぼす様になるのです。
人間は説明を受けるより話す方が満足度が高くなると言われます。
自分が相手に訴えたいこと、楽しかった経験、驚いた経験などを興味を持って聴いてもらえると嬉しくなって話が止まらなくなる人も多いのです。
ただ、歯科医院では予約診療の医院が多くカウンセリングやコンサル、治療説明にかけられる時間も限られる。
だから限られた時間で患者が満足できるコミュニケーションが出来るのかが問われるのです。
しかし、実際にスタッフの患者とのコミュニケーションを観察していると時間内に必要な説明は一生懸命しているのだけれど患者との会話がキャッチボールになっていないと感じることが多い。
患者が説明をどれだけ理解できているかを観察しながら話し方を変えるなんて高等テクニックは使えなくても「マニュアル説明」のマニュアルが「患者に伝えておくべき点」で構成されていることが多く「患者から聴き出す点」のウエイトが低い。結果、「スタッフ9:1患者」の会話になっている。
いつも「う~ん、短い時間でももっと話し方が工夫できるのになぁ」と思ってしまう。
一方的にマニュアルに書かれていることを説明する「手段の目的化」が起こっているのです。
この問題を解決する為には、マニュアルを患者とのキャッチボール形式に変えてトレーニングすることです。
患者の不安や疑問が解消される様にどんな声掛けが患者を安心させるのかを話し合って全体で実行できる様にするのです。
「患者の不安を少しでも和らげてあげたい」
「患者のことをもっと理解したい」
そう考えているスタッフは多いのですが行動に出来る人は限られる。
だから、患者との会話のキャッチボールができている先輩スタッフが中心になって若いスタッフが出来るだけ患者との会話のキャッチボールが出来るようにトレーニングしていくのです。
一人が大切だと思っていることを日常的に実行し、継続することでそれを真似る人が1~2人出てくる。
そして2~3人で続けていると少しづつ実行する人が増え、いつしかそれが医院のスタンダードになる。
それがリーダーシップの本質です。
指示で人を動かす場合には指示を止めれば次第にやらなくなるので巻き込み力にはならないのです。
東京ディズニーリゾートでも一人のキャストの行動がどんどん拡がり、それがスタンダードになったことが多いそうです。
歯科医院の日常診療でも「効率」と「患者への寄り添い」をどう両立させるのか?という難題が存在する。
しかし、忙しくても工夫すれば傾聴もできるし患者満足度も高めることが出来る。
やるのか?やらないのか?でしかない。
歯科医院の診療を見学していてそう感じるのです。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00