おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科の院長が歯科医院経営で成功する為には、
・地域経済の未来や人口動態
・地域の歯科医療ニーズの変化
・国の医療政策と日本経済の動向
・ターゲット患者層のニーズやインサイトの把握
・競合歯科医院の戦略
・医院の経営資源や患者から見た魅力
を知って戦略を練る必要があります。
例えば近畿圏の2034年の18歳人口は2022年に比べて約23,000人減少した162,000人程度です。
ここから大学進学などで近畿圏から出ていく若者が50%近くいますので、企業の人材確保は益々し烈になっていく。
最近は大手企業が大学の講義にも入り込んでいますので、中小企業や医療機関の人材確保は更に困難になることは簡単に予測できるのです。
では、18歳人口が減るという事は地域経済にどの様な影響を及ぼすのか?
先生が開業されている地域で各種歯科医療需要が成長期に入ったり衰退期に入る時期は何時ごろか?
地域経済の衰退によって地域ではどういう未来が待っているか?
国の医療政策に医療機関はどう対応するべきなのか?
について先生は考えられたことはあるでしょうか?
ジワジワと進行する変化への対応は後回しになり易く、気づいた時には手遅れになり易いのが特徴です。
私は仕事柄、クライアント医院が開業する地域の企業や基幹店等の経営状態を調べ、商店街やショッピングモールの空き店舗状況、出歩いている人の年齢構成などを見て歩きます。
するとネットでは調べられない様々な情報が掴めるのです。
例えば地域の交通機関や橋などのインフラなどの老朽化が進んでいても財政的に改修できていない地域がある。
そして電車やバスの発着本数の減少などにも地域経済の衰退状況は表れるのです。
例えば2019年に佐賀県上峰町のイオンが閉店したのは衝撃的でした。
地域で買い物難民が増えるだけでなく基幹的なインフラの撤退は人口の社会的移動にも繋がるからです。
いまでも全国で赤字路線の鉄道各社と路線の存続を目指す地元自治体との激しい攻防が繰り広げられていますが、企業の社会的責任だけでは解決しない問題がこれから全国で多発していく。
しかしインフラ、例えば水道管等の老朽化もゲリラ豪雨に対応できる河川や排水溝の改修や、公的病院の維持、三次救急の確保などにも対応していける財政力を持つ自治体は財政力指数で唯一1.0を超える東京都位なのです。
2030年に近づけば近づくほどイノベーションやゲームチェンジが起こり易くなります。
デジタル歯科医療とデジタル歯科システムも技術の進歩と規制緩和が進むことによって一部の歯科医院で標準装備されていく。
では、大都市部の駅前で間違いなく開業してくるだろうデジタル化された歯科医院に既存開業の院長はどう対応するのか?を考えておく必要があるのです。
一方、過疎地で開業されていて生産年齢人口だけでなく老人人口も減少するステージ4のまで人口減少が進行している場合に歯科医院経営をどの様に進めるのか?
を考えておく必要があるのです。
課題を熟せば熟すほど新たな課題が見つかる。
クライアントの院長とよく話すことですが、目の前の課題だけでなくどれだけ未来の課題に手をつける事ができるのか?がこれから院長に問われるのです。
さて、先生が開業されている地域の未来はこれから10年でどう変化して、先生はどの様な経営戦略を描かれるのでしょうか?
何とかなるだろうと対策を怠り、気がついたら目の前に飛び越えられない崖があったということにならない様に気をつけてくださいね。
Posted at 05:00