おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院経営では医院によって収益性が大きく違います。
人件費の目安は20%で変動比率も20%、キャンセル率の平均は10%が標準値だと昔は言われていましたが、現在では経営における適正数値は医院によって違うのが正解なのです。
もちろん、歯科医院でも経営目標管理において「KGI+KPI」を設定した数値管理は必要ですし、経営対策によって収益性が改善しているのかの点検も必要です。
これからは医院の経費が増えていくなかでスタッフの賃金を上げて長期雇用しないといけませんので、医院の収支が適正なのかの確認は毎月おこなわなければならないのです。
経営者としての院長は管理会計にも精通している事が理想ではありますが、時間を節約する為には有能な会計事務所にその役割に見合うお金を支払うことだと思います。
ただ、会計事務所で歯科医院経営のことを理解して的確なアドバイスができる会社は5%程度しかありません。
だから院長に「経営の事は税理士に任せている」と言われても会計事務所は困るし、会計事務所としては「経営者は先生ですよね」と言いたいのが本音なのです。
また、会計事務所にも紐付きの会社があり、院長に他の会社のサービスを斡旋してリベートを得ているところもあります。
だから、歯科医院の顧問先が多い会計事務所だから安心という訳ではないのですが、真摯にアドバイスしてくれる会計事務所はありますので成功している院長に紹介してもらってください。
ただ、現在の会計事務所を切るときには注意が必要です。ブログでは詳しくは書けませんが・・・
さて、チェック項目です。
□会計事務所とは管理会計のアドバイス付きで契約しそれに見合う顧問料を支払っているか?
□院長は会計事務所の説明に興味を持っているか?
□会計事務所は数値管理のシステムを採用しているか?
□月1回来院する会計事務所の担当者は測定しているどの数値を改善するべきかを説明できるか?
□会計事務所の担当者は院長の質問に的確に答えられるか?
□損益計算書だけでなく財務三表全体を見てアドバイスしてくれるか?
□貸借対照表は収益が出やすい構造になっているか?
□院長はスタバのワンモアコーヒーの収益性が高い理由を説明できるか?
□院長は売上高と利益額が連動しない理由を説明できるか?
□院長は歯科材料が安い時にまとめ買いすることがNGである理由を説明できるか?
□会計事務所の担当者は院長の会計リテラシーを高めようとしているか?
□次年度の経費予算を会計事務所と立てているか?
□院長はどんな対策をすれば会計の数値が改善するのかを知っているか?
□院長がおこなう設備投資は何年で回収できるのか?
□院長の投資判断はBSC(バランススコアカード)を満たすものか?
先生方が申告書(決算書)として目にされる資料は「財務会計」のものであり、経営状況を正確に表してはいません。
その一番の問題が「利益」と「キャッシュ」が一致しないこと。
だからキャッシュの管理も必要になります。
その為のチェック項目です。
・院長として適正な報酬額はいくらなのか?
・医院の未来を創るお金はいくら貯めておく必要があるのか?
・毎月、生活費にいくら使っているのか?
・損益分岐点売上ではなく収支分岐点売上高はいくらか?
・医院の一人当たり生産性はいくらが適正なのか?
・スタッフの賃金はいくらまで上げることが可能なのか?
・院長家族のリタイア後資金はいくら貯めておく必要があるのか?
私が開業医団体に勤務していた時代から、上記の質問に答えることが出来る院長はほとんどいませんでした。
しかし、お金は「手段」ではありますが、お金なしには実現できない理想はとても多い。
つまり、院長とスタッフの理想を実現していく為に「会計」はとても重要なのです。
さて、これから人件費とその他経費がどんどん上がっていきます。
その増えた分を賄う為にどうやってキャッシュを増やしますか?
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00