おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院経営では所謂「ドンブリ勘定」の院長が多いと感じます。
経営に欠かせない財務三表は見てもチンプンカンプンで、経営数値を測定して対策していない場合が多い。
しかし、院長が経営目標を達成できる根拠を持たずに経営計画を立てても計画は絵にかいた餅になるのです。
例えば、
2021年⇒2022年経営計画
・総売上1億2千万円⇒1億4千万円
・内:自費治療3千万円⇒4千万円
・内:保険治療9千万円⇒1億円
ホワイトニング 〇円、インプラント〇円、歯列矯正〇円
的な経営計画書を経営相談時に見たことがあります。
経営相談で院長に「この自費治療の数値目標を達成できる根拠は何でしょうか?」とお聞きすると「頑張ってコンサルをして自費売上を増やしたい」と仰ったのです。
例えば、
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コンサル枠を新たに設けて現在はユニットのところでドクターが治療説明と提案をしている現状を変え、コンサルルームも増設します。
他医院でTCの経験があるスタッフが入社してくれましたので、治療の補助説明はコンサル枠に入れるようにしました。
KPIとして「コンサル実施数/率」と「自費治療成約数/率」を測定し、TC担当スタッフのスキルを高める為に専門的に指導してくれる方に資料づくりからサポートしていただける様にしました。
また、コンサル実施率を高める為にホームページをリニューアルし「ネット治療予約」と「〇〇相談」の予約が取り易い様に変更しました。
新患が増え相談数が増えることでコンサル実施数の目標数値は達成でき、コンサルの質の強化によって成約率も高めることが可能だと考えます。
ちなみに、PDCAサイクルを回す為に数値を毎日朝礼で共有し、2カ月に1回の対策会議を実施したいと考えています。
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という具体的な対策が示されるのであれば目標達成の確率は高まるのでしょうが、経営計画が作成されたまま活用されていない歯科医院では院長が計画を推進しないので目標の達成は願望でしかないのです。
私が働いていた団体では、担当地区の前日の売上を毎日確認して対策を実施することは当たり前のことでした。
だから開業医の先生方の経営相談をお受けする様になってその経営感覚に驚いたのです。
それでも昔は「患者の為に良い歯科医療を提供したい」という姿勢の院長はスタッフと患者に支持され経営も安定していた。
しかし、それは過去のことなのです。
中期経営計画を立てる事は必要だと思いますが、「目標を達成する為に今日何をするべきなのか?」「目標数値に対して達成率はどれ位で、どんな対策をすれば今月の目標を達成できるのか?」を考えて実行しなければ計画は達成できないのです。
もちろん、それをプレイヤーでもある院長一人で実施するのはハードルが高い。
だから、院長は歯科医療だけでなく経営面でも最強のチームの構築に動かなければならない。
そう思うのです。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 04:00