おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
お店の作り方には、顧客のニーズに徹底的に寄り添う商品やサービスを提供する「マーケットイン」と、自社のこだわりから競合には提供できない付加価値のある商品を開発提供し、その魅力で顧客を集める「プロダクトアウト」があります。
プロダクトアウトの代表格は「iphone」ですね。
歯科医院でも患者の集めやすさだけを考えれば「マーケットイン」の方が難易度が低い。
しかし、マーケットインの使い方を誤ると歯科医療として問題が発生するのです。
それは、自分の口腔内の健康と向き合わない患者を増やしてしまうこと。
例えば、「仕事で忙しくて・・・」「急用で・・・」と理由をつけてキャンセルや治療中断を繰り返す患者のうちのどれ位が本当の理由を言っているのか?
治療に通う時間はないけど友達と遊ぶ時間は確保できる人に先生の医院が人気だとしたら・・・
ただ単に治療の優先度が低くてキャンセルする理由を後付けしている人が多いことは、「電話で歯科医院に言うキャンセルの理由」を検索で探している人が多いことでも分かります。
そういう間違った価値観の人への正しい対処法は「患者の要望であっても患者の不利益になることは丁寧にその理由を伝えること」です。
そして、それでも言う通りに治療して欲しいという患者には丁寧に対応し応急処置だけしてお引き取り願う。
歯科医院には様々な価値観を持った患者が来院しますが、「誰を大切にするべきか?」を明確にする必要があるのです。
ちなみにキャンセルの多さに悩まれる院長の多くが飛び込みの急患を受入れるよう受付スタッフに指示されています。
これは健康でありたいと願いながら不健康な生活を送るのと同じですのでご注意くださいね。
「自分の口腔内の健康を守ることが全身の健康にも繋がる」
そう考える患者を大切にすると決めると同じ価値観を持つ患者の割合が徐々に増え、エッジが立つことによって口コミ紹介で健康観が高い患者が増えていくのです。
大切にする顧客層を明確にしてその人たちのニーズやインサイトに徹底的に寄り添う。
その人たちが望む医療サービスや院内環境をチームメンバーで話し合って導入していく。
それが本来のマーケットインの使い方なのです。
ちなみに、先生が急患で飛び込んでくる患者でも大切にしてあげたいとお考えの場合にもマーケットインの考え方が使えます。
ホームページとポータルサイトに「急患随時対応」「優しく丁寧に治療」「日曜日や平日夜遅くまで診療」「ネットで簡単予約」と書いてその通りに実行すれば、多くの患者が来院すると思います。
ただし、キャンセルや治療中断も劇的に増えますので覚悟していただく必要はあると思いますが・・・
Posted at 05:00