おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
これから歯科医師も歯科衛生士も歯科技工士も大幅に不足する時代を迎えます。
そして問題の解決は簡単ではない。
なので今回は歯科医院の人材不足について書いてみたいと思います。
歯科医療に関わらず、日本は少子高齢化が進み大手企業も人材確保に躍起になっています。
日本には有能な人財をそれに相応しい待遇で迎え入れるという文化が無い為(新卒横並び)、有能な人財は海外の企業にもっていかれる。
なので、大手企業であっても売り手市場になりつつあるのです。
有能な人を採用する為に必要不可欠な事。
それは、有能な人がその能力を十分に発揮でき、能力に見合った報酬が受け取れる環境(ブランド)がその業界にあるのかということです。
それぞれの業界にはそのブランド力に応じた人材が流入してくる。
従って、まずは医療や歯科医療が就職活動をする若者にとって魅力的な業界であるのかが問われるのです。
そういう意味で、有効求人倍率が上がりこれから始まるリスキリングが進めば、歯科業界は採用で更に苦戦する様になると私は考えています。
次に歯科業界のことです。
歯科医院が採用で苦戦する様になる最大の要因は「診療報酬が上がらない」こと。
保険診療が段階的に縮小していくなかで、魅力的な労働環境を構築していける歯科医院は限られる。国家資格者の平均賃金が上昇する中で保険点数だけではそれをカバーできないのです。
そして国家資格者の採用は地域格差が大きい。
歯科大学や歯科衛生士学校、技工士学校が都道府県に何件あるのかも採用に影響しますし、学生に先生の歯科医院がどの様に認知されているのかも採用に影響します。
院内にライフイベントに合わせた働き方ができる環境があり、治療や施術、技工の技術を高められる研修制度や育成環境があり、報酬的にも同年代、同級生よりも高い。
そんな環境を構築できれば歯科界内での採用競争では有利になりますが、問題はそのコスト増にも耐えられる収益構造が作れているのかということなのです。
歯科医院は積極的に採用戦略を進めるべき院長と、中途半端に人を抱えて先々ジリ貧になることを避けるために人員拡大を抑える経営戦略を取るべき院長に分かれます。
地方では、すでに国家資格者が確保できない為に予約枠を閉めて使わないユニットが増えている歯科医院が出てきています。
「社会保障制度としての保険医療」は必要不可欠で私もその充実を願っている一人ですが、歯科医院経営の視点で考えれば保険医療への依存度が高ければ国家資格者が魅力に感じる労働環境は構築できない。
採用環境はこれからの5年で更に悪化していく。だから院長が動いていくチャンスは「今」しかない。
そう感じるのです。
もっと具体的に話しを聞きたい場合は有料の経営相談にお申込みください。
Posted at 05:00