おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
私が歯科医院の経営サポートを開始する時に必ず行うのが「経営環境分析」です。
何故なら開業されている地域にどんな特徴があるのかを知って対策しなければ成果をだせないからです。
経営環境分析をおこなう時には、
・人口動態と昼間人口、2040年予測
・人口の社会的移動
・電車の駅の乗降者数
・公共交通機関の経営状況、経営方針と地域住民の現在の利便性
・診療圏内の主な企業や事業所、地域内の雇用者数
・地域住民の一日の生活動線
・地域文化
・地域住民の所得帯
・スーパーマーケットや学校の位置
・保育所数と配置
・企業城下町の場合には企業の経営状態や今後の戦略
・地域経済の今後、開発情報
・生産年齢人口の推移
・一次から三次までの医療供給体制
・地域行政の政策
・競合歯科医院の配置と戦略
・医院の立地と広告の有効性
・国の医療政策
・国の経済政策
・財務省と日医との力関係
などから5年後、10年後の地域がどうなっているのかを予測してクライアントが今後どのような戦略を取れば上手くいくのかの戦略を組み立てます。
もちろん、医院が所有する経営資源や医院理念によっては取れない戦略がありますので、実行可能な範囲での最適値を見つけるのです。
現在の日本社会では電鉄会社等による駅前開発や住宅供給によって地域経済圏が形成されている地域が多い。
しかし、公共交通機関は乗客数の減少による赤字と人材不足によって維持することがどんどん難しくなっています。
また、人口減少が進む中で広い地域に住民が点在することによるインフラコストが増大している。地方自治体の税収は減っているのにインフラの老朽化による補修や新設の負担に地方自治体の担当者は頭を抱えているのです。
そんな中で大都市圏が安泰かと言えばそうではない。
診療報酬が上がらない中でコストは増加してますし採用も職種によっては都市部の方が厳しい。強い競合も分院を出し始めていますので経営力のある院長しか生き残れなくなってきているのです。
そんな経営環境の中で院長が所有する経営資源で何ができるのかを考えて提案するのも私の役割です。
スター選手ばかりが集まっている歯科医院ならどんな戦略でも取れますが、医院メンバーの力量的に出来ないことを提案しても意味が無いからです。
経営環境の変化を読んで対策をしていくことは経営者としての院長には欠かせないスキルです。
船長と乗組員が遠い大陸を目指す時に前方から氷山が近づいていることを船長が把握していなければ船は座礁してしまうからです。
だからこれから開業される方は立地だけでなく十分に地域の経営環境を分析して立地を決めていただきたいですし、すでに開業されている院長は現在の経営環境で何が出来るのかを時間を取って考え抜いていただけたらと思います。
街でみかける歯科医院を見て「なんでこんな場所に開業したの??」と疑問に感じることはとても多いです。
不動産事業者は歯科医院経営のプロではありませんので十分な経営環境分析をおこなった上で戦略を立てていただければと思います。
すでに開業されている院長で経営環境が厳しくても生き残れる方法はきっとある。
だから諦めずに頑張ってくださいね。
もっと具体的に話しを聞きたい場合は有料の経営相談にお申込みください。
テーマ:経営環境の変化
Posted at 05:00