おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
日本電産の永守重信会長がCEOに復帰されました。昨年6月にCEOを関潤氏と交代したのですが、自社の株価の低迷に危機感を覚え「短期的に立て直す」と再登板となりました。
永盛氏の様に周りからの信頼も厚く結果も出せる経営者の場合には後継者選びで苦労するケースが多いですよね。
やはりカリスマ経営者が現役である間に後継者をどうやって確保するのかがポイントとなります。
大きな会社ではヘッドハンティングによって会社の経営経験があり結果も残している人を招き入れますが、歯科医院ではそうはいきません。
歯科医院の承継では、
①第三者へ売却(医療法人などへ)
②親子間承継
③勤務ドクターへの承継
などがありますが、②③の場合には後継者の経営力をどうやって育てるのかの問題が生じます。
歯科医院経営を上手く軌道に乗せるには
①求心力
②経営基礎能力・知識(マーケティング、会計等)
③専門家によるサポート体制
④決断力、行動力
⑤人脈構築力
⑥投資能力
などが必要ですが、現院長は苦労して医院を大きくし自らも院長としてのステージを高めて来られたのに対し、次期院長は現院長によって作り上げられた医院を引き継ぐからです。
つまり、最初は医院が到達しているステージに次期院長の到達ステージが追いついていないことがほとんどなのです。
スタッフも患者も出入りの事業者も現院長を信頼してついてきてくれているのであって、実績のない次期院長は現院長と比較されることになる。
表向きは「次期院長を支えながら頑張りましょう」となるでしょうが、実際には比較されることになるのです。
これは院長としての「器の大きさ」でもあります。
現院長ほどは器が大きくなっておらず、そして現院長とは性格タイプが違う次期院長が「院長」として周りから信頼される状態に持っていくのに現院長のサポート力が問われるのです。
人間も動物の群れと同じ。
次期院長が「群れのリーダー」として周りから承認されることが欠かせない。
人間にも動物としての「このリーダーについていって自分の安全と生活は守られるか?」という心理が働きますし、女性は一瞬でリーダーとしての力量を見破ります。
だから、次期院長が院長と言う「立場」でチームメンバーを動かそうとすれば間違いなく失敗しますし、自分の存在感を出そうと次期院長が焦っても失敗する。
そのことを現院長はちゃんと指導していかなければならないのです。
自分が信頼される前に、次期院長は周りのメンバーを信頼することから始める。
でないとせっかく築いた組織の強みが消えてしまいますよね。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00