おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
令和2年の保健所及び市区町村が実施した「歯科健診・保健指導」「歯周疾患検診」の実施数が発表され、どちらとも前年の実績を下回りました。
特に「歯科健診・保健指導」の延べ人数が前年の4,593,656人から3,548,523人と1,045,133人のマイナスとなっており、これによって国民の口腔内の健康状態が悪化する可能性があります(令和3年にどれ位戻っているのかが心配です)。
事実、コロナによって学校健診が延期になったことによって児童の口腔内の状態が悪化していたと多くの院長からお聞きしたことを思い出しました。
一方、「歯周疾患検査」を実施した市区町村数は1337自治体と30自治体減少しました。
この健診の実施数が令和3年に回復しているのかが気になりますが調査結果の発表は多分来年あたり・・・。
しかし、国が目指している歯科健診の強化は本当に実現するのか怪しくなってきた様にも感じます。
保健所の数は1991年から2018年の間に保健所数で45%、職員数も19%減っているそうです。
市町村の保健センターや市町村の職員もやることがどんどん増えて手が回らない状態・・・
実際に歯科健診の強化を検討する過程で、マンパワー的に対応が難しい市町村があることが問題として出されていました。
このままでは歯科健診を強化できるのがいつになるのかわからない・・・。
だから、歯科界が一体となって「歯周病検診・歯科健診受診キャンペーン」を実施すれば良いのにと思うのです。
国が進める検討会での審議は遅いし、市区町村の現状を見れば国民全員が1年に1回歯科健診を受けるようになるのには時間がかかると思うのです。
行政主導の歯科健診であれば行政区の壁がありますが、歯科医院が独自でおこなう健診キャンペーンではそんな壁はありません。
健診を受ければ多くの人に治療や定期管理の必要性が見つかるでしょうし、そのことによって生活習慣病が悪化することを防ぐことにも繋がる。
10年後位には、健康な住民が健康であり続ける為に医療機関が存在する時代に入っていきますので、本当の意味での予防に今から取組み「健康」の領域に足場を築いた医療機関が存在感を高めることが出来るのです。
歯周病患者や口腔機能に問題がある患者は増えています。
そして、多くの人には自覚症状がない。
だから、国の施策を待っている時間はないようにも思えるのです。
さあ、先生はどうされますか?
テーマ:医療政策・未来予測
Posted at 05:00