おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
国が進める「歯科医療供給体制の再構築」に関する論議。
論議内容に目を通していて感じるのは「この人達は現場の事をどれ位知っているのだろうか?」という疑問。
国が保険医療を担う医療機関に求めることが変化し高度化しています。
国が描いている地域包括ケアにおいて歯科医院が果たすべき役割は重要だという認識が広がり、歯科医療に求められることが多様化しました。
確かに国の審議会で言われている歯科医療の在り方も果たすべき役割も正論であり理想だとは思う。
しかし、だからといって全国の市町村ごとの医療供給体制や地域ネットワークの力量は地域によって違っていて、国にこれ以上の役割を求められても対応できない行政や医療機関、介護などの多職種、医療介護ネットワークも多いのです。
歯科医院も同じです。
審議会で述べられている「歯科医療が果たすべき役割」は、理想ではあるが現実的に考えれば実現が困難な地域や歯科医院は多いように思うのです。
※現実的ではない政策でも歯科医院は経営面で影響を受けますので対応が必要です。
国が歯科医療の供給体制を論議するのならば、もっと歯科医院が置かれている現状を把握し、取組を前に進める為にも現実を踏まえた報告書にしていただきたい。
勤務歯科医師や歯科衛生士の採用に院長が苦労する状態を長年放置して、金属価格の高騰に対しても根本的な解決ができないのに「必要だからやれ」と言われても院長は困ると思うのです。
技術や知識の習得や人材の育成には時間もかかりますし、新しい歯科医療需要の分野に対応するにしても収益的、マンパワー的に目途がつかなければ院長も簡単には踏み出せない。
「訪問歯科はドクターが一人の医院では困難だから・・・」って今頃になって言い出して、そんなこと以前から予想できたでしょうとも思う。
「理想」を語ることは大切だけど、もっと全国各地の歯科医療の現状を把握した上で「理想」と「現実」の差を埋める方法を現場に近いところで話し合って欲しい。
でなければ旗を振ったところでついてこれる歯科医療機関は限られてしまうし、結果的に患者が犠牲になってしまう。
そう思うのです。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00