おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
最近、企業で注目を集め取り組まれているのがCX(カスタマー・エクスペリエンス)です。
商品自体はプロダクトライフサイクルによってサイクルが進みますが、これからデジタル技術やロボティクスが進化すれば商品自体の差が出しにくくなる。
職人がコツコツと築いた技術で作成した商品とデジタル技術やロボティクスで作成した商品との差がどんどん埋まっていっているのです。
すると参入障壁が低くなりコモディティ化(陳腐化・汎用化)の進行が早まるのです。
歯科医療で言えばアライナー矯正やCAD/CAM冠が該当します(現時点では品質の差があり、ドクターの技術によって成果に差が出ますが)。
したがってデジタル技術が進化すれば商品によっては差別化が困難になっていく。
だから、物理的な商品価値に感情面の価値を乗せて差別化しようとする取組がCXなのです。
歯科医院でも受付などの一部の仕事は自動化していきますが、自動化できた分を患者が満足できる体験の充実に置き換えなければ患者から選ばれなくなります。
また、歯科医療が担う範囲は療養の提供から徐々に「健康管理」に移行していきますので、病気でない患者を来院に結びつけるのはハードルがかなり高くなるのです。
そして、患者の感情面の満足を獲得するにはチームメンバーの成長度や院内の仕組みが不可欠になる。
形だけの接客を作るだけでは差別化できなくなるのです。
長期管理時代には歯の痛みが無くても患者が歯科医院に通い続ける理由が必要になります。
65歳未満の患者がどんどん減っていることは統計資料によって明らかですので、65歳以上の患者を重視してサポートしていくのか、それともすべての年齢の患者のキュアとケアをしながらも65歳未満の住民にとって「体験価値」が高い歯科医院にしていくのか。
10年以内に先生も判断しなければならなくなるのです。
Posted at 05:00