おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
私が経営相談を受ける中で時々「損益計算書では利益がでているのに銀行にお金がない」という声を聞きます。
しかし、損益計算書の「利益=キャッシュ」だと思っている時点で経営者としては失格なのです。
例えば、在庫を置かずに顧客から注文された商品だけを仕入れ、同日に顧客に販売したと同時に現金でお金をもらえば「利益」と手元の「キャッシュ」は一致します。
しかし、歯科医院をはじめ多くの企業はそうなってはいないのです。
また、「利益=お金」だと考えるのも間違いです。
さらに医療機関の診療報酬は売上が立ってから約2カ月遅れて入金される。
一致するはずがないのです。
だから、「利益」と「キャッシュ」は別に管理していく必要があるのです。
例えば、銀行口座にお金があっても売上金や出資金や銀行借り入れや診療報酬などが1つの口座であれば管理できない。
また、個人開業の場合には帳簿上でも「院長貸し」「院長借り」でお金が出入りしますので、医院のお金と個人のお金の色分けが出来ないのです。
「銀行口座(診療報酬口座)にお金はあるのですが、いくらまで使っていいのか分かりません」というのも個人開業の院長あるあるです。
この様に、個人医院では会計の基礎の基礎が理解できていない院長が多い気がしています。
院長が医院を発展させていきたいのなら、「利益」と「キャッシュ」を適正に管理していけるようになる事は必須です。
ストラック図は会計の基礎の基礎を理解するのには役立ちますが、それだけでは経営できない。
また、経営者としての院長に求められるのは帳簿の見方ではなく「会計思考」です。
管理会計は有能な会計事務所と組めばカバーできますが、どんな治療コンテンツを増やしていけば収益構造が改善できるのかは院長が戦略を立てなければならないからです。
長期管理時代には経営力のある院長しか生き残れません。
徹底的に効率化した零細規模医院も生き残れはしますが、リタイア時に院長が「開業して良かった」とはなりにくい気がするのです。
特に間違った設備投資は収益構造を悪化させますので十分お気をつけて、そして勝負する時には大胆にしてくださいね。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00