おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
これからの10年で、歯科医師で一番多い年齢帯の院長のリタイアが始まります。
すでに歯科医院は減少期に入っていますので、残念ながら地域によっては歯科医療需要に対応できなくなっていく。
1次から3次の医療供給体制を維持できない地域が増えていくのです。
国は地域の高度な医療施設や医療従事者の不足に対応するためにICTを使ったオンライン診療の普及に舵を切りました。
医師の偏在対策も当初の目標を達成できず目標達成期限が先送りされた。そして、新たな期限での目標達成も見通しが立たないのです。
実は歯科医院経営と地域の医療供給体を守ることには強い関連性があります。
人は「医療」「子育て・教育」「生活環境」が充実した地域を求めて移動していくからです(特に若い世代)。
実際に高度成長期に誕生した大規模な計画都市なども、若い世代が出ていく事で活気を失ってきました。
京都市の様に行政の政策ミスによって家賃が高騰⇒若者が流出、人口が減少し財政的な窮地に立つ場合もある。
また、住む場所を移動しないと思われがちな高齢者もこれから移動が加速していく。
高齢になった親を都心部に住む子ども世帯が呼び寄せ、それに伴って資金の都市部への移動も進んでいくのです。
歯科医院の院長が地域福祉や連携に積極的に関わることは「地域医療」を充実させ街としての機能を維持していく為に欠かせません。
放置していてはどんどん人は便利な場所に移動していきますし、それを行政だけでどうにかできる問題ではないのです。
そして、一時的に人口が増えていく都市部では経営コストの増大による「公的医療・介護制度の不採算化」という問題の解決が避けられなくなっていく。
人口の移動と共に地域に強い競合も増えていきますので、歯科医院経営についての才覚がある院長しか経営を発展させることが出来なくなっていくのです。
地方でも都市部でも地域医療(特にプライマリケア)をどう充実させていくのか?を国任せにしないことが大切です。
地域住民や医療福祉従事者、行政関係者が集まり、真剣に論議をかわす機会が増えることで先進的な医療福祉の取組みを推進する地域は誕生してきました。
それと同じ環境を地域に実現することが出来るのか?地域の医院と競い合うのではなく連携していく事ができるのか?で地域の医療福祉の未来は変わると思うのです。
特に歯科医院の院長は地域連携を苦手にされている場合が多いですが、成り行きに任せるのではなく地域の医療介護ネットワークに関わり地域医療を守っていっていただきたい。
最初は地域連携の会議に顔を出すだけでも良いので、地域の現状を知り頑張っておられる人たちのエネルギーを肌で感じていただきたいのです。
地域の人たちとの取り組みが地域に人を呼び医療機関の経営も安定させることに繋がっていく。
私はそう確信しています。
テーマ:医療政策・未来予測
Posted at 05:00