おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
私が多くの医院の決算書(申告書)を見てきて実感するのは、「売上が同じの医院であっても残るお金が違う」という事です。
よく言われる「売上-変動費-固定費」で計算される「営業利益額」が医院によって違っているのです。
これは前回に書きました「稼ぐ力」の違いによるもの。
では、どうやって営業利益額を増やせば良いのでしょうか?
それは収益構造を営業利益が残りやすい形に変えることです。
例えば100万円稼ぐのに3人で稼ぐのと1人で稼ぐので収益性は変わりますよね。
しかし1人で稼いだとしても3人の場合の3倍の時間がかかるのならば意味がない。
ドクター一人では無理な場合以外はアシストをつけない方もいますし、何人ものスタッフがアシストしている方もいます。
双方のドクターが同じ時間で生み出す付加価値が同じであれば、二人の稼ぐ力は違うのです。
また、100万円を稼ぐのに1個7,000円の商品を143個売る人と、10万円の商品を10個売る人、100万円の商品を1個売る人でも稼ぐ力は違います。
そして、重要なのは100万円を稼ぐのにいくらのコストが必要なのかという視点も見逃せません。
こういった要素の積み重ねによって同じ100万円稼ぐ人でも残せる利益が違うのです。
歯科医院経営においてはどういった治療技術を身につけ、どういった治療コンテンツをどういった方法で患者に提供するかで残る利益は違ってきます。
治療技術を高めることは「商品価値」を高めることなので経営面から見ても必須ですが、売り方を間違えると治療技術の高さが利益に繋がらない。
質の高い商品を、
魅力的に見える商品とサービスに仕上げ、
その商品を求める人が集まる場所で、
効果的な認知活動をおこなうことにより購入する人を増やす。
これらすべての要素がバランスよく機能していなければ商品は売れないのです。
このことは歯科医療であっても例外ではありません。
私は経営相談で「収益構造を変えないまま売上を増やしても経営は改善しません」と話します。
院長は「稼げる収益構造」を目指さなければいけませんし、「稼げる収益構造」が「歯科医療の質の高さ」と繋がっているのです。
ちなみにこんなブログを書くと人件費などの固定費を減らそうとする方が出てきますが、管理可能固定費以外の固定費を下げると売上も下がる可能性が高いので注意が必要です。
固定費モデルである歯科医院経営は「成果に繋がるところに固定費を投資する」ことが必要なので、そろそろ今年の総括と来年の戦略を考えてみてくださいね。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00