おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
院長だけでなくチームメンバーも日常診療に追われていると「志」の存在が薄れる時があると思います。
しかし、そういう状態を長く続けていると頑張る自分を支えてくれるエネルギーが枯渇していくのです。
エネルギーとはそう「内発的動機」です。
院長も開業当時には理想に燃え、スタッフとも面談やミーティングを重ねていかれる場合が多い。
しかし、その行動の原動力は「経営が上手くいくかどうかへの不安」だったりするのです。
院長の行動への動機が「不安」であれば、頑張った成果として経営が安定した時点で行動へのエネルギーが枯渇することになる。
すると、今まで一所懸命やってきたことをやらなくなったりするのです。
理由はいままでやってきた労力を上回る行動への動機が消えてしまうことです。
金銭を得て豊かになることをエネルギーとして頑張ってきた場合にも、金銭的な満足によって行動への動機づけが弱まります。
物理的な満足が理想へ向かう行動を阻害する典型例ですね。
この時期から経営的なジリ貧に向かう医院は多いと思います。
私は、経営が安定した時には理想に向かうべきだと考えています。
行動への動機が消えてしまうのは今まで掲げてきた理念を掘り下げて来なかったから。
自分の心に常駐する「志」ではなかったからなのです。
同様にスタッフの「志」は日常の自分の行動を支える存在になっているでしょうか?
まだ成長過程で「志」も不明確で、働く目的が生活を支える為である場合が多い彼らを、自己実現のステージに導く為に院長はどんなアプローチを続けるのでしょうか?
・医療におけるエビデンスと歯科医院が実際に提供する歯科医療
・患者にとって効果的な治療と患者が希望する治療
・医院が目指す理念と医院の現状
・院長が掲げる理想とチームメンバーの成長度
・院長の医院への思い入れとチームメンバーの思い入れ
これらの理想と現状には比較的大きな差が存在します。
そしてその差を埋めることが院長に求められている。
だから、自分がチームメンバーと一緒に心から実現したいことを自分に問い直してください。
そしてその志を飾りにしない為にも、理念強化月間を設定して院長と各メンバーの理想についてひたすら話し合う時間をもってください。
その時間が日々の自分の行動を支え、メンバー間の目線を合わし、困難な状況のなかでも諦めずに理想に向かう為のエネルギーになるのです。
そういえば、私が開業医団体に勤務していた頃、外部から講師を呼んで毎年1泊の理念合宿をしていたことを思い出しました。
その時の分散会や分科会で先輩の熱い志を聴き、組織の在り方について遅い時間まで話し合い、皆の目線が合っていった気がします。
今でも合宿の時にどんな話をしたのかやどんな事があったのかは明確に覚えています。私は「学習委員」もしていましたので。
そして、その積み重ねが今の私の「志」を支えてくれているのだと感じるのです。
チームメンバー一人一人の心に志が常駐する様になるまで、長い時間が必要かもしれません。
しかし、先ずは院長が志の常駐化に取り組みチームメンバー一人一人の理想にを掘り起こしながら火をつけることなしに、理想の組織は実現しないのです。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00