おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
最近、強く感じるのは歯周病治療でブランドを構築する為に歯科衛生士や勤務ドクターなど、チームの強化が欠かせないという事です。
分業制が進んだことで中規模以上の歯科医院ではドクターと歯科衛生士の連携が希薄になっている。
それを強化し直すことが大切なのです。
同時に勤務ドクターの歯周病に関する認識を変えていく必要があります。
歯科衛生士チームを強化し歯周病治療の質を高めて患者が離脱しない仕組みを構築していくにはドクターとの連携が欠かせない。
そして多くの医院の場合にはドクターの歯周病への認識と定期管理への関与が弱いのです。
ドクターはう蝕も歯周病も含めて、
①全額的に診断し、
②必要な検査をして、
③結果を患者に説明し
④治療法を提案し、
⑤患者の治療法への同意を得る
を実行しなければなりません。
最近では、
①口腔機能
②栄養
③生活習慣病、認知症リスク
についても気づき、患者にアドバイスをすることも求められているのです。
歯周病が進行している患者なら内科の健康診断の結果を見せてもらう。
健康診断を受けていないのなら受けることをお勧めする。
近隣の内科のドクターや病院との連携でやれることは沢山あると思うのです。
では、それらの患者の健康リスクを誰がどう判定し、どんな方法でいつに患者に伝えるのでしょうか?
最近では管理栄養士を採用される歯科医院が増えてきましたが、やはり定期的に患者と接しラポールを形成できている担当歯科衛生士のスキルを上げて患者の異変に気づけるようにする方が良いと思うのです。
えっ、「歯科衛生士にそんなことはできない」ですって?
いえいえ、患者一人一人に興味を持ち観察できていれば誰だって変化には気づきますよ。ただ、その原因が何なのかがわからないだけです。
患者がお年寄りの場合にも歯科医院の役割が大きいですよね。
もちろん、診断はドクターしかできませんので担当ドクターがオーラルフレイルだけでなくサルコペニアやロコモなど口腔内のフレイル以外の進行に気づけるかです。
そして医科の主治医やケアマネージャーとの連携によって三つのフレイルが進行しない様に関わらなくてはいけないのです。
現状としてはオーラルフレイルや歯周病に関する医科側の認識が弱い為、歯科側から連携していく事が大切だと考えます。
もちろん、現状ではこれらの活動に関する診療報酬は不十分ですし、マンパワー不足や歯科医師の知識不足という課題も理解しています。
だからどの様な位置づけとして取り組み採算が取れるように持っていくのか?
院長の経営力が問われるのです。
歯科医院がいつか街の健康ステーションになれれば、多くの地域住民から信頼され地域に欠かせない存在になる。
そうなる為には「採算性の壁」や「知識や技術の壁」「地域連携の壁」「マンパワー不足の壁」などを乗り越えなくてはならないですし、院長が歯科衛生士をはじめとするチームメンバーをまとめていかなくてはなりません。
この記事を読んで「そんなの夢」だと思うのも「そうあるべき」だと思うのも先生の自由です。
ただ、プライマリケアが危機的状況になりつつある時代において、診療科に関わらず地域住民の健康を連携しながら守ろうとする医療従事者が少しでも増えて欲しい。
そう願う秋の朝なのです。
Posted at 05:00