おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院がホームページで掲げる医院理念の多くはお飾りになっている。
残念ながらそう感じています。
例えば、チームメンバーが共有する価値として「患者に優しくする」と書かれていたとしましょう。
しかし、日常の臨床で「患者に優しくする」という意味を共通の理解で実行できていないのです。
こういう時は日常での深掘りが欠かせない。
まず、「患者に優しくするというのは具体的にどういう行動をとること?」とチームメンバーに質問します。
そして、行動が出されたら「なぜ、その行動を取らなくてはいけないの?」と聞きます。
そして理由が出されたら「アポが詰まっていてあなたが忙しくても周りと協力しながら行動することができる?」と聞く。
すると多分、「忙しい時は実行できません」と返ってきます。
この時の出来ない理由は「ドクターのアシストにつかなければならないから」「予約時間通りに患者を案内しなければいけないから」というものでしょう。
この場合には「行動規準の事例集」でドクターのアシストと患者に寄り添う行動とどちらが大切だと定義されているのかなのです。
実際には、患者が優先だと決めていてもスタッフはドクターに気を使って行動できないことも多いでしょう。
ドクターや他の先輩スタッフに「ケースバイケース」だと注意されるかもしれません。
するとそのスタッフは二度と患者を優先する行動を取らなくなくなる。
そんな時はドクターから「患者さんを優先して」と言ってあげるべきなのです。
多くの医院ではスタッフが「共有価値」と「行動規準」に一致した行動を取ることをドクターやリーダーが阻害しています。
そして阻害した本人がそのことに気づいていない。
理想の医院を目指しながらも目の前の忙しさや一時の感情で妥協してしまうのです。
すると「共有価値」や「行動規準」は「合理的な信念」ではなくなる。
それを守る行動を取ることで叱られることを知ったスタッフは規準を信用しなくなるのです。
「共通価値」や「行動規準」は具体的な行動について話し合い、誰もが無意識にできるまで落とし込んでこそ医院文化となり患者を魅了します。
だから院長や幹部スタッフが遵守しなければチームに浸透していくことはない。
日常の徹底した落とし込みなしには理念(ミッション、ビジョン、バリュー)が実現していく事はないのです。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00