おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
いままで「歯冠修復及び欠損補綴」の算定点数はどんどん下がっていると何度もブログで書いてきました。
では、先生の医院の保険のう蝕治療による収益は変動費や固定費を賄って経常利益を生み出すことが出来ているでしょうか?
金属を使った補綴であれば採算性が大きく低下していますし、インレーの一部を保険のレジン充填に替えて金属代を節約してもドクターの手間が増えれば採算性は改善しない。
そして、保険のう蝕治療による収益がどれくらい固定費を賄えているのかも重要な視点なのです。
一方、長期管理型歯科医院はかかりつけ患者の未来の健康を守る医院ですので飛び込み患者のう蝕治療のウエイトが低く、歯科衛生士枠や口腔機能管理、患者の健康管理コンテンツでの収益割合が大きい。
リピート型ビジネスですので患者離脱率と新規顧客獲得費が低く限界利益率が高くなるのが特徴で、ユニット台数への依存率も徐々に下がっていくのです。
ただ、トライアル型ビジネスをおこなってきた院長がリピート型ビジネスに移行していくのには多くのハードルを越えなければならないし、経営者としての能力を高めなければならない。
一般の事業でも同様ですが、リピート型ビジネスは誰もができる訳ではないのです。
う蝕治療のニーズが無くなる訳ではないのですが、デジタル化が進むのに合わせて保険のう蝕治療は益々収益性が悪くなる。
院長は経営者としてその問題に目をつぶっていてはいけないのです。
保険のう蝕治療で患者を救ってあげたいのならその不採算性をカバーする収益事業を確立しなければならないし、これから起こるコスト増や設備投資増にどう対応するのかを院長は考えなくてはならない。
だから医院の収益バランスを変えて収益性を高める努力なしに歯科医院と地域医療の未来は見えてはこない。
これからの10年で保険のう蝕治療がメインの歯科医院へは口腔内の状態の悪い患者が駆け込んでくるようになります。
ただその時に、保険医療制度がどうなっていて医院の固定費負担がどれくらい増えているのか?収益は確保できるのか?
一度、想像してみてください。
国自体が沈むか沈まないかの状態の時に遊んでいる暇などない。
私はそう思っています。
Posted at 05:00