おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
本日は「バリュープロポジション」についてです。
バリュープロポジションの説明は検索して頂きたいのですが、簡単に言えば「患者がどうしても欲しくて他医院が提供できないもの」を提供できるかということです。少し話が難しくなって申し訳なののですが、これからの歯科医院経営にとって重要なことなので、書籍などでも学んでいただけたらと思います。
一般的に価格は「需要」「供給」に影響されます。
その価値を欲しい人が多くて供給する事業者が少なければ提供価格が高くなり値崩れはしません。
しかし、その価値を供給する事業者が増えていくと競争が起こり価格は低下していくのです。
例えば、参入障壁が低い(様に見える)アライナー矯正には多くの歯科医院が参入します。
だから値崩れが起きやすい(コモディティ化)。
しかし実際にはワイヤー矯正の技術を医院が所有していないと問題が起きて信頼を失う可能性が高いのです。
例えばアライナー矯正におけるバリュープロポジションを考える場合には「Gain Creators(患者に利得をもたらすもの)」の所に入る「信頼」につながる技術やサービスを所有していることが差別化に繋がります。
何が言いたいのかと言えば、これからの時代は患者のニーズに対応しながらも値崩れに巻き込まれないように差別化できるのかが重要なのです。
例えば、いま提供している自費治療の価格を逆に1.5倍値上げする。
普通に考えれば他医院より1.5倍の治療費にすれば患者さんは来なくなると思いますよね。
しかし、そう考えるから歯科医院経営が上手くいかないのです。
バリュープロポジションの各項目に何を入れれば値上げが可能になるのか?提供できる歯科医療の価値の高さをどうやって患者に伝えるのかが重要になります。
多くの院長は自費価格おける地域相場を気にされます。
横並びを意識するので治療技術を真摯に高めてきているのに地域相場に合わせてしまうのです。
すると、高いレベルの治療を提供しているのに患者が提供を受ける歯科医療の価値を感じにくくなる。
地方では自費が出ないとか
うちの県は平均所得が高くないとか
と言い訳をして自費治療の価格を低く抑えていませんか?
いつまで「良いものを安く」と考えているのでしょうか?
その考え方によって、良いものを作って提供しているのにその価値を顧客に伝えられないが為にどれだけの事業者が消えていったでしょうか。
治療の品質は真摯に高めているのにその価値を地域に伝えられない、値上げができない歯科医院はこれから10年で消えていきます。
差別化され、手間とコストをかけて作り上げた付加価値の高いものはその価値に見合う価格で購入される。
それが実現してこそ社会は発展していくのです。
低価格が長年続いてきた日本では、国の最大の強みであった「品質の高さ」を失いつつあります。
歯科医院でもこのままいけば提供する歯科医療の二極化が加速してしまう。
医療であっても提供している医療サービスの質を高め、差別化しながら自費の価格を上げていくべき。
保険医療を守る為にも必要だと思うのです。
バリュープロポジション大切です。
Posted at 05:00