おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
さあ、令和4年の診療報酬改定論議が始まる7月になりました。
会員の医業収入の減少に慌て診療報酬の大幅なアップを主張するであろう日医と、コロナによって昨年の死亡者数が逆に減ったことにより過剰診療を主張するであろう財務省のバトルは年末の改定率決定に向けてヒートアップが予想されますが、先ずは改定の論点整理が始まります。
さて、話は変わりますが日本の歯科医院の院長は高齢化しています。
患者も高齢化していますし過疎地で診療されるドクターがリタイヤされるとなると事業を承継するドクターがなかなか見つからない。
日本の歯科医院はすでに減少期に入っていますし、これから地域医療の人口カバー率の低下が深刻になっていくのです。
院長は事業承継においても悩まれると思います。
例えば親子間承継であれば、親が開業している地域に確かに救うべき患者はいるのですが、人口減少や高齢化、そして人材確保などの問題も絡まって「ここで承継して経営的に成り立つのだろうか・・・」「自分がやりたい医療をおこなえるのだろうか・・・」という葛藤が生まれるのです。
何を基準にして決断するのかで次期院長が出される答えは違うでしょうから、私にはここでは言えることはありません。
地域医療が守られて欲しいという思いはあっても承継される次期院長の決断に責任が持てないからです。
ただ、どの場所で承継開業をされようが様々な問題が起こります。
承継しても前院長のかかりつけ患者はいますので、勤務医として残られることが多いと思います。
例えば、その時に「前院長の給与を診療実態に合わせて下げられるか?」という問題が生じる。
ご相談をいただいて決算書を見ると前院長に高い給与を支払っておられる場合も多く、それによって人件費比率が高くなっている場合もある。
前院長がしっかりとリタイア後資金を貯められていたのなら良いのですが資金を貯められていない場合も多く、その場合には売上に見合わない給与を支払い続けるという可能性があるのです。
前院長には「この医院は俺が作り上げてきたもの」という自負がありますので、給与を下げるならリタイア後資金の為の退職金を出して欲しいと言われてもめることも起こっています。
だから親子間承継であっても第三者承継と同様に「のれん代」で折り合いをつけることが重要なのです。
これ以外にも「承継」には様々な問題が発生します。
またの機会に他の問題も書いていきますね。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00