おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
ドクターが同じ患者の口腔内を見たとしても、ドクターの知識量や臨床経験によって発見する問題の量と質は変わってきます。
そして、治療を担当するドクターにその問題を解決する技術がなければ問題を解決する為の治療計画は立てられないし、治療計画を立てられたとしても質が低い治療になるのです。
当然、難易度が高い治療には高い保険点数が設定されていたり、自費治療として提案できることが多い。
だから、歯科医院が質の高い歯科医療を提供する為にも、経営的に成功する為にも「診断力」と「治療技術」の高さが必要になる。
そして合わせて必要になるのが「治療計画立案力」なのです。
しかしAB二人の歯科医師がいて「治療技術」と「診断力」が同程度だとしても、立てる治療計画は同じではありません。
一つは「自信」の問題.
最初は上手くいかなくても患者の口腔内の健康に必要だと考える歯科医師は積極的に新しい治療技術を取り入れて治療計画に取り入れますが、いつまで経っても自分に自信がない完璧主義の院長は治療技術としては所有しても臨床に落とし込めないのです。
また、患者にとって効果が高い治療であっても、それが自費治療の場合には患者に断れるのではないかと不安で保険治療を提案するドクターもいます。
それ以外に能力が同じでも治療計画に違いが出る要素としては「時間」があります。
勤務ドクターの場合、院長が保険診療の効率化を推進していれば勤務ドクターは「限られた時間内に最善の治療をおこなうのには無理がある」と考え治療計画が薄くなるのです。
同じ手技でもドクターによって必要な時間は違いますので、手の遅いドクターは決められた時間内に患者に提案し実施できる治療は少なくなります。
翌日に治療する患者のカルテと検査資料をみて治療計画を立ててから他の治療技術が高いドクターの意見を聞くということをルーチンとしていない場合にも治療計画立案力は進歩しないと思います。
ここでドクターごとの成長度に差が出てくるのです。
何をGOALとするのかでも治療計画は変わりますが今日は詳しくは書きません。
これからは専門分野に関わる部分は専門医と一緒に診断し治療計画を立てる時代に入っていきますので、院長や勤務ドクターの診断力と治療計画立案力を向上させる取り組みは欠かせないと思います。
そして最後は「患者」です。
いくらドクターが患者の未来の健康を願って「診断」も「治療計画」もしっかり行ったとしても、患者がその提案を受け入れなければ患者の問題は解決できない。
だから、最後のステップでは「治療提案力」が必要になるのですが、それについては明日書きたいと思います。
臨床経験が少ない時は治療計画が薄くなりますが様々な研修で知識量も増え、治療技術が向上します。
臨床経験を積むことによって患者の口腔内の問題を多く発見でき、未来を予測でき、治療計画は厚くなっていくはず・・・。
なのにやっている治療は過去とそんなに変わらず、保険点数表で算定する点数も変わり映えなくて、治療技術が高くなったはずなのに自費治療が増えない。
そんな歯科医院が多い気がします。
もっと治療計画を厚くできたら、もっと患者の口腔内の問題や未来の問題を発見して解決してあげられるのにもったいない・・・。
そう思うのです。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00