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おはようございます。
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
保険医療機関は歯科医院は主に保険医療を担い、う蝕をはじめとする口腔内の問題を解決する。
そんな当たり前のことに捉われていると10年後の歯科医院経営は想像もつかない。
私はそう考えています。
昔は多くの治療法が保険制度でおこなわれていました。
しかし、1973年に老人医療費が無料化されて国の財政負担が増え、1983年に老人保健法が制定され無料化が終了した頃から国は社会保障費の削減を始めました。
新たな治療技術や補綴の素材が開発されても、将来の保険財政の破綻を危惧した厚労省が「ぜいたく」だと保険適用にならない治療や素材を増やしていった。
健康保険の保険料がどんどん引き上げられ患者一部負担金も増えています。
これから後期高齢者の原則2割負担の対象を拡大してもまだまだ足りない・・・。
健保組合なども元々財政状態が悪化していましたがコロナによって解散の危機に陥っている組合が増えている。
このままいけば、医療保険制度を現状の仕組みを大きく変えずに維持するのは不可能です。
歯科医療需要を見ていくと、若年層のう蝕が減っていき歯科医療ニーズが変化していく中で重点的に保険点数が配分される分野も変わってきています。
5年後の歯科医療や保険医療がどうなるのかの予測はできても10年後はパラダイムシフトなどの不確定要素があるので少しぼやけている。
しかし、ひとつだけ断言できることがあります。
それは「保険医療における療養の提供」だけで収益モデルを構築していると、10年後には歯科医院経営が成り立たない」ということです。
国は「療養の提供」から「病気にさせない政策」に方向転換してKPIも設定されています。
究極の「予防」への取り組みもスタートしているのです。
また、院長には自費のコンテンツだけで患者を集め医院経営が成立する位の覚悟がいる。
保険医療を充実させていきたい私としては残念なのですが、そういう未来を予測せざるを得ないのです。
国が進める本当の意味の予防の施策の進行と「保険適用」のタイムラグは大きい。また、保険適用されないものも多いことが予測されます。
院長が予防への保険適用を待って取り組みを始めると遅いし、早すぎると顧客ニーズ(マーケット)が成長期に入っていないので成果を出せない。
だから院長が取り組みを進めるのなら自費のコンテンツとして構築し患者を集めなければなりません。
コンテンツが成長期に入る絶妙なタイミングで準備して地域の住民に提案していける院長のみが10年も生き残って地域住民の信頼を得ているのです。
また、これから「保険」「自費」「療養の提供」「未病」「健康」とカテゴリーでのくくり方をして考えていると未来が見えなくなっていきます。
そのカテゴリーが徐々に取り壊されており、これから民間企業が参入してくるのです。
そうなると狭い世界に閉じ込められて八方塞がりになっていきます。
従来の市場の中でもニッチな需要をつかめる院長は生き残れるし、武器がないままう蝕マーケットにしがみつく院長は淘汰されていく。
あと、院長が注意しなければならないのは、地域によって変化の進み方や度合いが違うということです。
これから進むスーパーシティ構想の影響がでてくる地域もあれば、都道府県によっては活力をなくし地域経済の衰退によって「医療」そのものの存続が危ぶまれる地域も出てくる。
残念ながらコロナによって中小零細企業は壊滅的な打撃を受けています。
大手企業はデジタル需要に素早く最適化していきますが、中小零細企業は最適化が大幅に遅れ経営の体力がない企業は倒産していくのです。
私たちが昔から慣れ親しんできた地域の風景・・・。
しかし、それが10年後も存在していると考えるのも悲しいですが危険な固定観念なのです。
テーマ:医療政策・未来予測
Posted at 05:00