歯科医院経営コーチの森脇康博です。
COVUD19の感染拡大が起こる前、日本は人手不足でした。
それが今では人手不足感が大幅に緩和されている。
COVID19が経済に与える打撃はリーマンショック時を超え、年内に100万人以上の人が新たに失業するという予測も出されています。
そういう環境のなかで歯科医院の院長は二つの課題をクリアする必要があります。
一つは「リスクに強い歯科医院」づくり
そしてもう一つは「長期管理」できる歯科医院への変身です。
今日は課題の一つ目である「リスクに強い歯科医院」について書いてみます。
COVUD-19は歯科の院長に大きな課題を与えてくれました。
そして、歯科医院の経営体質がぜい弱であることを改めて気づかせてくれました。
では「リスク」について考えましょう。
一般的に経営では「トレードオフ(一方の要素を高めるともう一方の要素が低下する)」の関係になりやすいと言えます。
例えばCOVID-19への対応で感染対策を強化すればするほど経費は膨らみます。
今回は経費を補填する方向性が示されていますが、それでも目に見えない経費がかかるのです。
他にも
・デザイン性を高めれば使い勝手が悪くなる
・軽量にすれば強度が落ちる
・利回りが高い金融商品はリスクが高い
などが代表的です。
歯科医院の院長にとって悩ましいのは
・保険診療の質を高めるとスタッフの雇用を守る為にも必要な利益が減っていく
でしょうか。
院長はこれらの経営の法則を理解しながら対策を進めなければならないのです。
金属価格の高騰によって歯科医院経営の体力が奪われつつあるタイミングでCOVID-19の感染拡大があった。
コロナ融資を受けて、診療報酬の概算払いも活用して7月危機は乗り越えた。
でもそのままでは駄目なのです。
院長は緊急事態宣言が解除されている今のうちに「経営体質の強化」に取組まなければならない。
例えば、
「地域で感染拡大が起こったと報道されればキャンセルが増える」⇒「感染拡大が起こってもキャンセルする患者はほとんどいない」へ
「緊急事態宣言が出されたら一部ユニットを閉鎖し安全確保をする」⇒「緊急事態宣言が出されてもユニットを閉鎖せずに安全が確保できる」
へと変える方法を考える必要があるのです。
また、損益分岐点比率が高い歯科医院ほど赤字になりやすい。
だから、院長は損益分岐点を下げる三つの方法を使って損益分岐点比率を下げる必要があるのです(詳しくは顧問の会計事務所にお聞きください。CVP分析表で説明してくれます)。
※会計事務所が歯科医院の損益分岐点を動かす効果的な方法を知っているかはわかりませんが・・・。
この対策は時間がかかります。でも、体質改善ですので改善できれば安定した経営を続けられるのです。
また、闇雲に対策をすれば良い訳でもありません。
売上を増やす、収益性を高めるといってもどういった治療の売上を増やすのかが重要ですし、経費を減らすといっても減らしてはいけない経費もある。
※どうやれば収益性が高まるのかはノウハウなので書けませんが・・・。
今回は経営面での取り組みの方向性について書きましたが、一番のリスクマネジメントは有事に対しても動じない質の高い組織をつくりあげることだと私は考えています。
次回のブログ更新(いつ??)からは、
「強い組織のつくり方」
について「長期管理型歯科医院」の実現方法と絡めて書いていきたいと思います。
ご期待ください。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00