歯科医院経営コーチの森脇康博です。
アイデンティティとは「あるものが何者であるかについて他者から区別する概念」「信念」「変化する社会のなかでも変わらない自己」と訳されます。
では、先生にとって「経営環境が厳しくなっていく中でも変わることのない歯科医療に取組む姿勢」とは何でしょうか?
例えば、
診療がいくら忙しくても省くことのない治療ステップや説明
いくら疲れていても毎朝続けていること
患者に必ず伝える言葉
スタッフに伝え続けている言葉
一人ひとりの患者への向き合い方
もし、治療終わりに患者が「先生、他にも気になるところがあって・・。実はすごく悩んでいるんです」と言ってきたらどうしますか?次の患者はすでに10分待っていますしその後もアポイントは満杯です。
歯科医院で毎日の様に起こるイレギュラーなできごと。
それにどう対処するかで医院のアイデンティティが形成されていきます。
例えば、いつも続けてきたことを院長が忙しいからと省けばスタッフも省くようになりますし、院長の言行が不一致であればスタッフへの動機づけは下がるのです。
「院長は日によって言うことが変わる」
「院長は人によって言うことが違うし扱いが変わる」
「同じミスをしても怒られる人と怒られない人がいる」
というのはスタッフあるあるです。
もちろん、スタッフの言葉がすべて正しい訳ではありません。
勤続年数が長いスタッフと新人スタッフでは扱いが違いますし、ミスを自己修正できる人と出来ない人でも扱いが違うからです。
でもスタッフに、
「院長がいつも言い続けていて自分も大切だなと思うことは何ですか?」
「院長が何にも言わずに続けていて尊敬できることは何でしょうか?」
と聞いてスタッフが即答してくれるものがなければいけないのです。
何故ならそれがアイデンティティであり、院内の共通の価値として積み上げていくものであるからです。
人間ですので疲れた時には「今日くらいはいいかな」と思うことがあります。
でも、大切なことをブレずに続けることでその価値がスタッフに伝染し、医院のアイデンティティとなって患者が集まってくることを忘れてはならないのです。
さあ、冒頭のお悩みの患者の扱いはどうしますか?
どう対応するのが医院の「正しい」でしょうか。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00