歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院として成功するには何が必要?
と聞かれたら、私は迷わず「治療技術とホスピタリティを高め続け歯科医療として正しいことをおこなうことです」と答えます。
すると「歯科医療として正しいことをしていますが患者が増えません」と言われる院長もおられるでしょう。
そういう方には「正しい方向への行動量が不足しているかもしれません」と答えるでしょう。
「頑張っているのですが成果がでません」
という人の殆どは正しい方向への頑張りが不足しています。または、頑張り方が間違っているのです。
これが一般企業の経営であれば「頑張らなくても成果を出せる仕組み」を考えるというのも正解なのですが、歯科医療の場合は違うのです。
歯科医院でも経営面だけで考えれば成果をだすのは難しくはないと思います。
民間で使うマーケティング手法を駆使すれば患者も増え、経営的には成功できるでしょう。
しかし、それでは公的医療を担うという歯科医院の使命は果たせません。
「歯科医療として正しいことを続ける」という使命を輝かせることが出来た歯科医院だけがこれからの時代を乗り越えることが出来る。私はそう考えています。
どんな治療技術をブラッシュアップさせますか?
新しく加える治療メニューは何でしょうか?
この一年でスタッフが学んだことは何でしょうか?
学んだことは臨床に落しこめていますか?
院長が誰よりも学び臨床のレベルを向上させるという姿勢を見せていますか?
院長は誰よりもスタッフの事を認め、励ます存在になれていますか?
この一年でスタッフ一人一人と話した時間はどれ位でしょうか?
細かいことまで院長が決めていませんか?
経営の手法だけ優れている歯科医院では、スタッフは従業員としては育っても歯科医療従者としては育ちません。そして、すべてにおいてトップダウンで動かし権限の委譲ができない医院から心が育ったスタッフは離れていくのです。
歯科医療における志を持った歯科医療従事者には出来て、接客やアシストなどの仕事を上手くこなすことが出来る従業員には出来ないこと・・それは
患者の未来が健康であるように願い導くことです。
ちなみに院長のなかにある「歯科医療として正しいこと」をスタッフに押しつけてはいけません。院長の価値観をスタッフに話し続けることは大切ですが、医院文化は院長の正解だけで創るものではないからです。
スタッフの中に眠る「人として正しいことを行う心」を引っ張り出し、育てていくのです。
スタッフの心から「正しいことを続ける」為の芽がでたら、大切に育てます。自分に合う課題をみつけて取組み始めたらそっと見守るのです(褒めるのも駄目です)。
スタッフから出た成長の芽に院長が干渉すると芽は枯れてしまう。
これをアンダーマイニング効果と言います。
だから「最近、朝早く来てトレーニングしているんだね」と事実だけを承認するのです。
スタッフの成長度を見て、気づきを与える質問をすることは大切ですが、間違っても院長の価値観で介入してはいけないのです。
院長はスタッフに芽ばえた価値観に院長の価値観で介入し、スタッフの心に灯った明かりを吹き消してしまいます。
時にはチーフが懸命にスタッフの内発的動機に火をつけようとしている努力を一瞬でぶち壊してしまうのです。
チーフに任したはずなのに院長が頭越しにスタッフに指示をする二重権限も多く見られます。
おっと、話が大きくズレました。
歯科医療として正しいことをするにはスタッフの成長が欠かせません。
そして先生の医院の「歯科医療として正しいこと」はチームメンバーで一緒に考え創りあげていくことが必要なのです。
・医院の治療技術が向上し
・解決できる患者の症例増え
・スタッフが着実に成長を続けると
先生の医院が提供している歯科医療の魅力が患者に伝わるようになります。
さて、何から始めますか?
Posted at 05:00