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◆歯科医院経営ブログ

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歯科の経営環境と令和2年歯科診療報酬改定論議の行方  [2019年11月01日]
 
歯科医院経営コーチの森脇康博です。
 
 
 
歯科医院経営だけでなくどんな事業でも売上をあげて適正な利益(キャッシュ)を生むことが必要です。
 
 
しかし、「医療」と名前がつくと捉え方が違ってきます。
 
医療機関と医療従事者は法律でも高い倫理観を持ち行動することが定められた存在であるからです。
 
 
歯科医師も歯科医療従事者も、ひたすら「患者にとっての最善」を考え続けて経営のことなどは考えずに良質の歯科医療を提供したい。
 
 
 
そう思われる方も多いでしょう。
 
私も開業医団体で勤務した30年でそういう強い想いを持たれた院長と出逢ってきました。
 
しかし、残念ながら現実はそれを許してはくれません。
 
 
 
1980年以前は国も地方も医療保険制度を充実させる方向であり、う蝕などの罹患率も高かったことから歯科医院経営は安定していたと思います。
 
しかし、1983年2月に施行された老人保健法を起点として、医療保険制度は一貫して切り崩されてきたのです。それに伴って医療機関の経営は少しづつ厳しくなってきました。
 
 
 
そこに近年では「う蝕治療の需要の減少」と「金属の高騰」「人件費の高騰」が重なった。
 
 
営業利益が少なく経営の体力が弱い小規模歯科医院にとっては死活的な問題になっています。
 
 
 
もちろん、経営規模が大きい歯科医院は大きさの分だけ経営リスクが大きい。しかし、ブランド力や育ててきたスタッフと資金力を使って必要な方向へ変化する力も持っているのです。
 
 
 
経営規模が大きい歯科医院は変化するべき方向性に気づいて取組みを始めていますが、小規模歯科医院の院長の多くは変化の必要性にも気づいていません。
 
 
因みに私がいつも言っている医院規模はユニット数で言えば
 
零細  2台
小規模 3~5台程度
中規模 8~15台程度
大規模 20台以上
 
をイメージしています。
訪問がメインであったり自由診療の歯科医院もありますので一概には「大きい」かどうかを判定できませんが「経営の体力がある」という意味も込めています。
 
 
 
 
それぞれのユニット台数で
 
・いくらの売上、利益をあげられるのか
・運営するのに何人必要か。人件費はいくらか
・一日に何回転するのか
・アイドリング時間はどれくらいあるか
・アポイントは埋まっているか
・治療単価はいくらか
・人件費以外の経費はいくら必要か
 
などによって生産性が違います。
※私は「売上」より「利益」が大切だと考えています。
 
 
 
当然、
・少ないスタッフ数で
・アポイントが多く入り
・チェアータイムが短く
・経費が少なく
・治療単価が高い
 
そういった治療をすればユニットあたり生産性は高くなります。
 
 
しかし医療なので患者にとって必要な治療は省いてはいけないですし、効率に走ると売上単価は下がる傾向にある。
 
それを踏まえたうえで「ユニットあたり生産性」や「スタッフ一人あたり生産性」を高める必要があるのです。
 
でないと保険診療の世界では経営がどんどん厳しくなってくる。
 
 
 
分院展開をされている歯科医院は経営リスクの現れ方がまったく違いますのでブログであまり取り上げたことはありません。ドミナント戦略型なのか都市部出店型なのかでも違いますし、分院の規模をどれ位に設定しておられるかでも違いますので「分院展開」で一括りにしては言えないからです。
 
でも、分院の売上管理やスタッフのマネジメント方法が重要になっていきますので、優秀な人財をマネジメント部門の頭に配置できるかで勝負が決まると考えます。分院長の意識や経営能力を高めることも必要ですね。
 
 
 
勿論、それぞれの経営モデルで経営対策は違ってきますが、これからの時代を乗り越えていくために収益力を強化することが重要になります。
 
 
 
国が歯科医院に求めてくる「医療機関としての質」「歯科医師、歯科衛生士としての質」をクリアしていくには経営の体力が必要です。国の調査でも売上規模が小さいほど売上のマイナスが大きいという結果が出ていますので、国が設定するハードルを越えるには経営の体力をつける必要があるのです。
 
 
 
 
もうすぐ財務省が診療報酬引き下げの提案を出してきます。
いままで財務省案が大幅に採用されたことはないのですが、待ったなしの医療費削減を考えると油断はできないでしょう。
 
これから診療報酬改定の基本方針が確認され、外来、入院、在宅、歯科、調剤について平成30年度診療報酬改定の結果を受けた論議が実施されます。厚労省案がまとまり、それを受けた政府が日医や財務省と折衝した上で年内に改定率が決まります。そして1月下旬から2月中旬にかけて改定の具体的項目と点数が決まっていくのです。
 
 
 
歯科分野における第一弾での論議では歯科疾患(歯周病、欠損、オーラルフレイル、小児の口腔機能発達不全)などを防いで定期的な管理をおこなっていくことなど、歯科医院の役割の重要性が確認されました。
 
これから実施される第二弾の論議ではそれを具体的にどう評価するのかが話し合われます。
 
 
これから健診全体や歯科健診も見直していかれますので、それらの動きが歯科医院経営にどう影響してくるのかを把握して経営計画を立てる必要性があると考えます。
 
 
 
 
 
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