歯科医院経営コーチの森脇康博です。
さて、先生は税務会計事務所に何を求め、いくらの顧問料を支払っているでしょうか。
税務会計事務所は基本的に歯科医院経営の専門家ではありません。
税理士試験の項目に経営に関するものはゼロだからです。
歯科医院の顧客を多く持ち、管理会計面でのアドバイスが出来る税理士はいますが、マーケティングやマネジメントまでカバーできる方は数えるくらいしかいません。クライアントに経営セミナーを提供し、学ぶ場や交流の機会をつくっている税務会計事務所は素晴らしいと思いますが、ほとんどの事務所はそうではないのです。
昔、開業医団体で働いていた頃「経営は税理士に任せている」という院長がいらっしゃいましたが、任されても税理士は困ると思うのです。
医療法人が活用していた全損保険が消滅した今、「節税」は歯科医院経営の重要なキーワードにはなり得ません。
では院長は税理士に何を求めるのか?
顧問の税理士は何が得意で何が苦手なのか?
その為にいくら支払うのか?
顧問の税理士では補えない部分を誰に相談するのか?
院長はそれを決めなくてはいけません。
私は税務会計事務所に「キャッシュフロー」についてのアドバイスを求めるべきだと考えます。「お金の門番」になってもらって財務の視点のみで院長の投資を判断してもらうのです。
何故なら、多くの院長はドンブリ勘定だからです。
歯科医院経営によってどれだけのキャッシュを生み出すことができたのか。投資に回せるキャッシュが貯まってきているのかは損益計算書の「利益」を見ても判断できません。だから、それを管理してもらうのです。
※個人医院は「院長⇔医院」のお金の出入りにとくに注意が必要です。
※管理会計を学んでいない人も多くいますので、任せる税務会計事務所を選ぶ必要があります。
因みに財務資料を作成してもらっているのに、領収書などの提出が遅いなどは問題外です(笑)。
また、税務会計事務所が出す歯科医院経営データの平均値も役には立ちません。平均値とご自身の歯科医院を比べて安心していることに意味はないのです。
医院の収益モデルに合せたお金の使い方をアドバイスしてくれる人が必要です。
もしかしたら税務会計事務所の職員は「院長は接待交際費を使いすぎ」と思っているかもしれません(笑)。
お金が残らないのは院長の責任です。でもそれを指摘すると責任を転嫁されるので、彼らは指摘できないのです。
税務会計事務所にお願いする役割は何なのか?
そして、足りない部分をどうやって補うのか?
院長が決断することです。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 03:00