歯科医院経営コーチの森脇康博です。
私が「三方よし」と謳っているのは、開業医団体勤務時代に「地域医療に全力を尽くされてきた院長のリタイア後資金が貯まっていなかった」というケースを多く見てきたことがキッカケです。
「患者の為に全力を尽くしてきた院長のリタイア後は、経済的にも豊かであって欲しい」そう強く思いました。
また、人は良いのに、スタッフの事を大切にしたいと考えているのに、不器用でスタッフに想いを上手く伝えられない院長とも多く出会いました。
経営面の不安や自尊感情の低さからイライラをスタッフにぶつけ、スタッフが数人退職したという話も時々耳に入ってきました。
私はその頃から近江商人の、
・売り手によし
・買い手によし
・世間によし
が医療機関で実現出来ないかを考え続けていました。
開業医団体で経営セミナーを企画し、医療機関を応援する取組みも始めましたが、そこで大きな壁にぶつかったのです。
それは、いくら優秀な講師を集め経営やマネジメントのノウハウを提供しても、
それを院内に落しこめない院長が多いという事でした。
理由は、
・落しこむ技術がないこと
・失敗すると諦めてしまうこと
・院長が忙しすぎること
でした。
それがキッカケで私は「院長に寄り添う経営コーチ」となったのです。
独立して勉強を重ね、いろいろな院長との出逢いがあり、数年前からは、
「三方よし経営」こそが歯科医院経営の最大の極意だと、技術面でも確信が持てるようになってきました。
歯科医院で言えば、
・院長よしに偏り過ぎても、
・スタッフよしに偏り過ぎても、
・患者よしに偏り過ぎても、
上手くはいかない。
開業時は売上を上げる”院長よし”からスタートしても、組織の成長とともに”スタッフよし””患者よし”が加わり、最終的には三方よしが同時並行的に進むのが一番力を発揮できるのです。
開業医団体時代に「経営と運動は両立できるか」について論議したことを思い出しましたが、今なら、
「経営と運動は一体で深く関わりあっており、別のものとして認識することが上手くいかない原因」だと断言できる。
同様に、患者の為の良質の医療と歯科医院経営、スタッフの働き甲斐も一体として実現できる、いや、一体でなければ上手くはいかないのです。
”経営と医療を分離するから理想とする歯科医療を提供出来ない”
それが事実だと思うのです。
歯科医院経営は院長だけのものではありません。
スタッフが加わり、患者が加わる、同じ目的を達成する為の”共同体”なのです。
医療が社会的存在であることを忘れてしまうと失敗します。
院長が経営の苦労から抜け出すには、組織が皆のものだと認識しなければならない。
そして院長がスタッフと患者を巻込み、”三方よし”について考え実践していくことが欠かせないのです。
三方よしで進めると院長の理想も達成していける。
院長がリタイア後に、
「歯科医師という道を選んで本当に良かった」と思えるようになるのです。
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テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 05:00