歯科医院経営コーチの森脇康博です。
内閣府が作成した「地域の経済2016」では、三大都市圏を除いた自治体で、どの業種が人口何人を切れば事業継続していけなくなるのかを計算しています。
<生存確率80%>
飲食料品小売 500人
ハンバーガー店 52500人
映画館 175000人
大学 175000人
百貨店 275000人
税理士事務所 27500人
等々。
もちろん、人口以外の条件も存続確立に影響しますが、今回は省きます。
その中で一般診療所は500件とされています。
しかし、この中には営業利益率が高い内科や整形外科など、医科の医療機関も含まれており、歯科医院が生存していくには500件は少ないと思います。
特に保険治療中心でメンテナンス患者や自費治療患者が少ない歯科医院ほど、人口減少の影響が大きいのです。
別の指標で考えます。
国が示した歯科医院の適正件数は人口10万人に対して50件、即ち、2000人に1件が必要件数となります。
私は経営相談を受ける場合に地域の人口を調べますが、開業地周辺(地区)の人口が2000人以上だと経営的に安定させやすいと感じています。
人口10万人に対して歯科医院が80~100件の地域では、患者が増えていく医院もありますが、収益を悪化させる歯科医院も増えていきます。
逆に人口10万人に対して歯科医院が30件程度の地域では、新規の開業もなく競争は激しくはありませんが、今後の人口減少によって患者の確保が困難になる可能性が高いのです。
遠くから患者を集めることが出来ないと経営的に厳しくなるでしょう。
医療機関の減少が続けば、地域の人口の流出が加速するという現象も起こります。
もちろん、人口が減る地域も、人口が増える地域にも経営対策の方法はありますが、医院のステージが低いと打てる対策が限られてくることも事実です。
院長の年齢にもよりますが、今のうちに地域の未来について分析し経営対策を進めていかなければ、10年後、地域によっては経営対策さえ打てない時がくるかもしれません。
地域医療を守る為に、かかりつけ医療機関の経営を行政と地域住民も含めて考えることが不可欠な時代になっていると考えます。
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Posted at 05:00