歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院の発展は、勤務ドクターやスタッフの個々の力量をどれだけ高めておけるかで決まります。
私が歯科医院の経営をコーチングする場合、まず、どんな経営資源があるのかを見ます。
経営資源とは一般的に、
・ヒト
・モノ
・カネ
・情報
を言いますが、どんな経営資源が存在するかで経営対策と目指せる方向が決まってくるからです。
その中でも一番大切なのが「人」です。
特に組織化において人は要となります。
組織と言っても縦ではなくフラットな組織を目指す。
その為に必要なのがメンバーの「個」としての能力UPなのです。
例えば、FacebookやGoogleなどでは全世界から有能な人財が集まります。
そういった企業で縦の組織を構築することは「個」の力を発揮する機会を奪うことであり、個人の能力を活かす為にフラットな組織で自由に活動してもらった方がイノベーションを起こしやすいのです。
しかし、人材不足である日本の歯科医院にそんな優秀な人財は集まりません。
だから、育てる必要がる。
歯科医院の院長に、「どんな組織が理想ですか?」と聞くと、多くの院長は「スタッフひとり一人が指示がなくても自律的に動き、自分達で目標を設定・達成し問題を解決していける組織」と仰るでしょう。
しかし、その為には「個」の力が必要なのです。
フラットな組織の理想は、起業して成功できる程の人財の集合体です。専門性を持ち、何も言わなくてもお互いが果たすべき「役割」を理解できています。
アメーバーはそれぞれに個性的であり、「個」の能力が最大限に発揮できる環境が整えられています。
私は、現在の日本においてフラットな組織づくりのハードルは高いと考えています。何故なら日本では「個」を抑え「協調」を良しとする文化があるからです。
フラットな組織を創りあげる条件は、
①個々人の能力を育てていること
②「個性」を抑え込み過ぎないこと
そして、個々の力が発揮できる組織体制です。
共同体が設定するべき「WHY」や「理念」は大切ですが、リーダーにトップダウンの意識が強すぎると個々の能力が活かされません。
「到達する場所と質、時期は共同体で決めるが、企画やそこに到達する方法はアメーバーに任せる」
が鉄則ですが、多くの中大型歯科医院では「企画や到達する方法」まで院長やリーダーがコントロールしてしまうのです。
リーダーが理想とするメンバーを育てようとするのが間違いであり、「メンバーが理想とする自分の達成」をサポートするのです。
この違いがわからないリーダーは「コントロール力」を手放せません。
また、個々の能力が育っていないのにフラットな組織を目指す院長がいますが、個々の能力が低いと成果も低くなり、「推進力を失った仲良し集団」になってしまいます。
この様に、フラットな組織づくりが一見難しく思える日本社会ですが、だからこそ面白い、遣り甲斐があるのです。
一番、そこに近づけるのは「スタッフを徹底的に鍛えてきた医院」「スタッフを育てる仕組みが作れている医院」です。
一番の難関はコントロール力の排除方法です。
院長やリーダーが気づかずにやってしまう二重権限はスタッフのモチベーションを一気に下げてしまいます。
メンバーの成長過程では必要なコントロール力ですが、メンバーが成長しても無意識にコントロールしてしまう。
リーダーの最終的な仕事は「リーダーの仕事を無くすこと」だという考えが持てていない。リーダーの成長不足とリーダーシップの勘違いが原因です。
コントロール力が無くても発展し続ける歯科医院。
どの院長がそこに辿りつくか?
とても楽しみです。
勿論、私のクライアントがそこに到達できるように全力を尽くします。
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Posted at 05:00