歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院経営を取り巻く環境を地域ごとに見てみると、人口が増えていく地域と人口が減っていく地域で問題が違うことがわかります。
人口が減っているといっても2パターンあります。
①生産年齢人口や年少人口は減っているが高齢者人口は増えている地域
②生産年齢人口、年少人口だけではなく、高齢者人口も減少が進む地域
また、人口減少による影響にも違いがあります。
例えば2040年にかけて人口が20%程度減少する地域で
①現在の人口が50万人を超える自治体
②現在の人口が10万人より少ない自治体
がありますが、現在の人口が少ない自治体は人口を更に減らしやすいのです。
お店や病院、交通インフラが維持できる人口が国の資料で示されています。現在の人口が少ない自治体は人口減少が進むと病院やお店、交通インフラの維持が困難になる為、人口流出が更に進むことになります。
以前、三大都市圏で一番人口の減少が進むのが関西圏だと書きました。
例えば大阪の人口10万人を超える自治体でも2040年には
堺市、東大阪市、高槻市、枚方市、八尾市、池田市、泉佐野市、岸和田市などが人口を20%程度減らし、
松原市、大東市、羽曳野市、守口市が30%減少、
富田林市、河内長野市、門真市などが40%減少するという予測が出されています。
人口10万人以下の自治体も多くが20~40%減のグループに入っており、人口減少による影響は人口の多い自治体より大きいと言えます。
更に、国が進める政策により各自治体では
・住居を誘導するエリア
・お店を誘導するエリア
などが決められており、開発計画が進むことにより住民が開発地域に移動してしまう可能性もあります。
「先生が開業されている地域が、これから10年でどう変わっていくのか」。それを読んで今から経営対策を進める必要があります。
また、人口減少と併せて高齢者で通院できない人も増えてきます。
そして働き方改革で働きに出る人も増えていますので、診療時間内に来院できる人が減っていくのです。
一方、大阪でも当面は人口が増え続ける地域もあります。その地域はストロー現象で周りの地域から人を集めます。
首都圏でもそうですが、人口が増えていく地域には別の問題が生じています。
厳密には開業されている場所ごとに調査・分析しなければ経営対策は出てきません。
ただ、大阪は都会なので大丈夫だという考えは幻想でしかありません。
人口減少問題は他の様々な問題とリンクしながら歯科医院経営に影響を及ぼします。
保険診療をするなら最低基準が「か強診」の活用です。
か強診を取得するだけでは意味がありませんし、そこに強みを一つプラスしなくては経営的に厳しいと私は考えています。
大阪の先生は取組みが遅い印象があるので、早急に経営対策を進めてくださいね。
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Posted at 05:00