歯科医院経営コーチの森脇康博です。
歯科医院経営において、初期の段階で重要なのは「認知対策」だと以前書きました。
私が車で何回も前を通っていたにも関わらず、12年営業している理容店の存在に気づいていなかったという話を紹介しました。
この様に、人は視野に入ったとしても、必要ではない情報を消去する仕組みになっていますので、「長年営業しているから地域の人達は知っていてくれるはず」というのは錯覚でしかないのです。
院長はまず、どこまでの範囲の住民に認知対策をするのかを決める必要があります。
そして次に、どんな手段で認知対策をするのかを決めるのです。
その時、一番重要なのは「治療コンテンツのブランド力ごとに違う診療圏の広さ」を理解していることです。
例えば、家から10m先と3km先にパン屋さんがあって、どちらも同じ作り方の食パンを売っていたとしたら、先生はどちらの店で購入されるでしょうか?
もちろん、10m先のパン屋さんですよね。
3km先のパン屋さんの存在を知っていたとしても、同じ品質の食パンをわざわざ遠くまで買いにいく人は少ないでしょう。
では、10m先のパン屋さんでは普通の食パン(300円)を販売し、3km先に一日で100食しか作れない天然酵母の食パン(500円)を売っていたらどうでしょうか?
車で3km先まで出かけようとする人もいるのではないでしょうか?
でも、まだまだ10m先のパン屋さんで食パンを買う人が多いはずです。
この様に、顧客が「距離の壁」を越えるには、面倒なことをしてでも手に入れたいという理由が必要なのです。
そして、距離の壁を越える人と越えない人が存在し、それぞれ「持っている価値観」が違うのです。
天然酵母の食パンを買おうとする人は「食パンに関するこだわりが強い人」であり、3kmの距離と500円という金額を問題にしていないのです。
この様に、歯科医院が広い範囲から患者を集める為には、「認知対策」とともに、「距離の壁」を埋める治療コンテンツや医療サービスが必要なのです。
この「認知」そして「距離の壁を埋める仕組み」を院長が創れないと、院長は狭い範囲で多くの競合と戦うことになります。
先生の歯科医院では何によって「距離の壁」を埋めますか?
Posted at 05:00