歯科医院経営コーチの森脇康博です。
経営医院経営を考える場合に、他歯科医院との差別化を考えられる院長は多いと思います。
では、「差別化」とは何でしょうか?
差別化とは患者がニーズを実現してくれる歯科医院を探す時に、他医院との比較なしに先生の医院を選ぶ事です。
しかし、小規模歯科医院の院長が差別化だと思ってやっていることは
・簡単に真似されるもの
・お金と人がいれば真似できるもの
・大型歯科医院の真似
であったりするのです。
小規模歯科医院の院長がいくらお金をかけたとしても、お金を使えば実現できる価値は簡単に真似されます。
他の院長が真似できない程のお金を使えば真似はできませんが、投資資金を回収できなければ意味がないのです。
とくに小規模歯科医院が流行りの医療機器を導入して差別化を図るなんて考え方は、経営の体力を消耗するだけで間違っているのです。
大きな歯科医院がやっているからと真似しようとしてはいけません。
例えば、東京ディズニーランドのパレードは大人気です。
昔、それを真似ようとした遊園地がいくつもありましたが、規模も華やかさも違いますし、なによりもミッキーマウスやディズニーのキャラクターがいないので、来園者からは不評でした。
そして、多くの遊園地が消えていったのです。
これらはディズニーのブランドや徹底したこだわりがあるから魅力的なのであって、それよりも劣るものを提供しても効果は薄いのです。
では、小規模歯科医院の差別化では何を磨けば良いのでしょうか?
それは前にも書きましたが、院内に眠っている独自資源です。
多くの院長は他の歯科医院がどんなやり方をしているのかを正しく見ていないので、自分の医院にどんな独自資源が眠っているのかに気づいていません。
しかし、医院それぞれの独自資源があるから、現在、患者が集まってくるのです。
例えば、院長が当たり前だと思ってしている「治療説明」が、患者にとって感動するレベルだったりするのです。
診療スタッフが何気なくやっている子ども連れの患者への接し方で口コミが発生することもあります。
当たり前の様に患者に提供していることが、患者にとっては魅力として感じている部分であったりするのです。
経営相談で私が院長に「先生の医院の強みは?」と質問させて頂いた時に、院長から出される答えは殆ど間違っていて(笑)、私が診療を見学して見つけた独自資源とはズレていることが多いのです。
院長がこだわって実践していたことも、スタッフから見て「良い」と感じれば、スタッフは徐々に真似をする様になります。院長が細かく指示をしなくても、スタッフは院長の背中を見ているのです。
そうして、皆が歯科医療従事者として大切にしている医院文化が創られていくのです。
差別化のポイントはお金をかけない部分にある。
院長は意識していないのに
・子どもとお母さんの患者が多い
・お年寄りの患者が多い
という場合には、何か理由があるのです。
私が歯科医院と関わらせていただく時には、まず、そこを見ます。
そして、眠っている宝物をどう磨けば良いのかを院長に提案するのです。
マーケティングで考えられる強み、流行っている医院がやっている強みをコンサルタントに押しつけられて、見学すると違和感を感じる歯科医院は多くあります。
大きな歯科医院が新たなコンテンツを追加し、最新の医療機器を導入していくことは「陣地取り」をする上で不可欠ですが、小規模歯科医院がそれに追随してはいけないのです。
医院の中にある宝物を磨かずにお金を使って外側に綺麗な壁を貼っても、差別化なんてできません。
テーマ:歯科医院経営全般
Posted at 17:00