歯科医院経営コーチの森脇康博です。
今回は「人口の多い場所には競合歯科医院が増え続ける」です。
東京圏への人口移動が続いていますが、それ以外の地域でも人口の移動は起こっています。
過疎化する地域で開業する歯科医院は対策が必要ですが、人口が増える地域で開業する院長が経営的に安全な訳ではありません。
「人が集まる場所にお店ができる」の法則どおり競合歯科医院が増えていくからです。
競合歯科医院が増えても、患者が満足するコンテンツやオペレーションを提供し信頼関係を築いていれば影響は少ないかもしれません。
しかし、進出した大型歯科医院が先生が得意な診療モデルに付加価値を増やした上で、先生の医院に被せてきたらどうなるでしょうか?
同じことをやれば経営の体力と組織力がある方が勝ちます。
大型歯科医院は先生が時間をかけて地域に広めてきた歯科医療サービスを真似ることで、先生の歯科医療サービスを無力化するのです。
先生が価格を下げれば同様に価格を下げられます。先生が闘えば闘うほど、先生の医院の経営の体力が奪われていくのです。
これを「同質化戦略」と言います。
小規模歯科医院は大型歯科医院と闘わないが原則ですが、中規模歯科医院はそうはいきません。増えた固定費を賄う為の利益が必要だからです。
患者が歯科医院で受ける治療を選択する時に大型歯科医院と先生の歯科医院を比較すれば、必然的に競争に巻き込まれる。
例えば、「インプラント」「矯正」「マウスピース矯正」「ホワイトニング」「マイクロエンド」などをホームページに掲示していれば、間違いなく患者に比較されるのです。
「色んな治療コンテンツを揃えているが、跳びぬけて多くの患者に支持されているものがない」。そういう中型歯科医院が一番影響を受けるのです。
人口が増えている地域ではこれから間違いなく「強い競合」が増えていきます。
いままでは先生の医院が地域のリーダーであったとしても、大型歯科医院が進出すれば、「NO1医院だけが得られる利益」を奪われる可能性があるのです。
中型歯科医院の院長がどういった中期経営計画を立て、どちらの方向に船の舵を切っていくのか!
独自性のある治療コンテンツを打ち出して大型歯科医院とは違う患者層を集めるのか?それとも院内を徹底的に固めていくのか?それとも・・・。
一度、お考えください。