歯科医院経営コーチの森脇康博です。
今回は「未来を映せない院長はチームメンバーを鼓舞できない」です。
院長が描いているビジョン、それがスタッフにイメージと数字で伝わっているでしょうか(とくに幹部スタッフ)?
私が尊敬するマーケッターにUSJを復活させた森岡毅さんがいらっしゃいます。
その森岡さんが著書「USJを劇的に変えたたった1つの考え方」でこう書いておられます。
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数年前までUSJは、皆で爪に火を灯し塩を舐めて、ひたすら低予算のアイデアで戦っていました。「この苦しさは、何としてもハリーポッターを建てるためである!」という明確な目的を宣言したときの部下の目の色の変わりようは、今でも鮮明に覚えています。
人が気持ちを入れられる魅力的な目的の設定は、人的資源を激増させることができるのです。
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成長ステージが高いスタッフも、まだ低いスタッフも、魅力的で少し困難にみえる目的の達成に巻き込んであげる事で、モチベートすることができます。
自分一人では到達が難しい目的達成も、成長ステージの高いメンバーがビジョンを達成していく同じチームに入っているだけで効力感を感じることが出来るのです。
これを「集団的効力感」といいます。
成功体験を積むことはとても大切です。だから、有能なメンバーで進めるプロジェクトには発展途上のメンバーを参加させて、先輩たちのやり方を見て学ぶ経験をさせることが不可欠なのです。
発展途上のメンバーが何が出来たかではなく、そのプロジエクトチームのメンバーであることが重要なのです。
まず、院長がワクワクするビジョンを持ち、そして「スタッフにワクワクする未来を見せる」ことが必要です。
大切なのはプロジェクトの内容を説明するのではなく、「プロジェクトを達成したらどんな未来が待っているか」のイメージに重点をおいて話すことです。
そして、まだどこの歯科医院も達成できていないビジョンが相応しいと思います。
誰かがやってきたことを真似るのではなくオリジナルなビジョンが人を惹きつけるからです。
「守・破・離」でいう「離」の部分です。
「え~っ、凄いけどそんな事が出来るのですか」とスタッフが言えば、スタッフの心に種が撒かれたことになります。
あとは、院長が努力する姿をスタッフに見せ続けるのです。
リーダーシップは、まずは自分へのリーダーシップから始まります。
院長がやっている事が魅力的に見えなければ、二人目の参加者はやってきません。
「こんなに経営が厳しいのにそんなにワクワクすることなんか見つからない」と思われましたか?
それは逆だと思います。
困難な状況でもワクワクして取り組んでいるからスタッフや患者はその世界観に参加したいと感じるのです。
まず、院長がワクワクできるビジョンを描き、スタッフにイメージと数字を何回も伝える。
スタッフが「本当かなぁ~」と疑って見ていてもお構いなしに自分だけで取組みを始める。
協力者が現れたら二人で話し合ってビジョンと行動を明確にする。もう一人増えたら・・・と続けるのです。
ポイントは院長が言出したことを決して諦めないこと。
そして、患者よし、スタッフよし、院長よし、の三方よしのプロジェクトを設定すること。
「院長、新しいことを仕入れてきたけど、どうせ直ぐにやらなくなる」「院長はどうせお金を儲けたいんでしょ」と裏でスタッフに言われている院長がとても多いからです。
実際には10個行動したら8個は失敗します。
失敗に捉われ続けるのは間違いですが、始めて直ぐにやめてしまうのは感心できません。
院長の姿勢に見合うスタッフが育つ。
ワクワクできるビジョン、考えてみてください。