歯科医院経営コーチの森脇康博です。
2020年診療報酬改定まであと1年ちょっとです。
かかりつけ医制度を見据えておられる院長は2018年基準はクリアし、予想される2020年基準クリアの準備を進めておられるでしょう。
2019年、夏に参議院選挙がありますので、しばらくは国民の負担増になるような大きなニュースは減るかもしれません。
地域別診療報酬で話題になった奈良県の荒井知事も、4月の知事選を前にして医師会と協定を結び、一旦、地域別診療報酬を撤回しました。
一方、社会保障の改革工程表に掲げられた医療改革は水面下で進んでいくことになります。
2023年まで続く第3次医療費適正化計画と第7次医療計画の達成は困難だと考えますが、病院主体の医療から地域完結型の医療介護へと移っていくのです。
この地域完結型の医療で主体となるのが「かかりつけ医」「かかりつけ歯科医」「かかりつけ薬局」です。
国は「かかりつけ機関」にゲートキーパーの役割を担ってもらい、何としてでも病院医療費、薬剤費を抑制したいと考えています。
一方、国民を病気にさせない取組みも進みだしています。行政や企業においては健診への取組みが強化され、行政が採用した専門職による指導によりお年寄りの「重複受診」などを抑制していきます。療養の提供外には民間企業が参入してきますので、国や民間の総力をあげて「健康事業」が推進されることになります。
人口減や少子高齢化の影響は地域によって大きく変わります。東京圏への人口移動は更に加速することが予想されますが、東京でさえ2035年には人口減少が始まります(郊外は先に減少を始め港区、中央区、千代田区は最後に減り始めます)。
う蝕治療ニーズにつきましては64歳以下で減少し、65歳以上では残存歯が増えている関係で増加しています。う蝕治療ニーズは今後も緩やかな減少を続けると思われますが、一部では口腔内の状態が悪化するため、急患で歯科医院を受診する患者は増加するでしょう。
人口減と少子高齢化、う蝕治療ニーズの減少の歯科医院経営への影響は地域によって違い、少しづつ進みますので、現在売上を伸ばせている院長には経営環境に問題がない様に見えると思います。
ただ、2025年には「兵庫県民や北海道民、福岡県民と同じだけの生産年齢人口が消える」のです(2015年比較)。2030年には「大阪府民と同じだけの生産年齢人口が日本から消える」。
人口が増えている地域には競合医療機関の参入が続き、人口減が深刻な地域では医療機関や医療従事者の確保が困難になる。
同じ日本国内でも歯科医院が置かれている経営環境が大きく違うのです。
ご自身の歯科医院が
①地域環境が少し悪化するが人口はまだ多い地域(競合増)
②地域環境が良くなく競合は増えないが患者確保の対策が必要な地域
③子育て世代が増えていて地域環境がしばらくは安定している地域(競合増)
のどれにあたるかで進める経営対策は違います。
・売上を重点的に伸ばしていくべき治療コンテンツは何か?
・か強診は取得するのか?取得しないでやっていくのか?
・ターゲットにすべき患者層は?
・訪問歯科はどれ位強化するべきなのか?
・歯周病治療患者はどうすれば増えていく?
・LTV(患者生涯価値)を高める為に何を強化すべきか?
・これから有効な広告戦略、マーケティング戦略は?
・競合歯科医院との差別化軸は何か?
・スタッフが長年働き続ける環境づくりをどうするのか?
・スタッフが遣り甲斐を持ち、辞めない様にする為に何が必要か?
など、
さて、どういった経営対策から始めますか?
Posted at 06:22