歯科医院経営コンサルタントの森脇康博です。
今回は「公助」⇒「共助」「互助」「自助」について
国が示した「人生100年構想」の具体化が進んでいます。
簡単に言えば
「人生100年時代を乗越えるお金はもう国にはありません」だから、「国民は民間の保険や年金に入り」「働ける間は働いて」「親戚や近隣で助け合い」「自己責任で自分の生活や健康を守る」そういう準備をしてください、ということ。
勿論、アメリカの要求(年次改革要望書)が背景にあります。
それを現実にする為の具体的な施策が次々と始まっているのです。
「確定拠出年金」の見直しもそのうちの一つ。
これから国は「インセンティブ」を使い、国民を民間サービスに誘導していくのです。国民の需要を取り込む民間企業の動きも活発になっています。
そして公的サービスと民間サービスの境界線があいまいになるのです。
国は「公的サービスを民間に開放する」ことを明言しています。
国は医師数を減らしたいのですが、地域枠の活用など、地域偏重の調整が上手くいっていません。地域、診療科、入院施設の有無などで「医師偏重指標」を計算し、新たな対策を検討して2036年の偏重解消を目指しています。
これらの国の施策の影響を間違いなく歯科医院も受けるのです。
歯科医院でも今後、地域偏重が進みますので、歯科医療ニーズに対して施設数が過剰と判断される地域の調整方法が将来示されそうです。
国の大きなターゲットは当面「薬剤費」と「入院医療」、そして「年金」ですが、それだけで膨張する社会保障費を抑えることは出来ません。
国は地域の医療費の状況を見てモグラ叩きをしなくても、自動的に地域の医療費が調整される仕組みを構築しつつありますので、それが稼働し始めると、国民も医療機関経営も大きな影響を受けるのです。
※国はシステムや受け皿の準備をしている段階ですので、来年そうなるという話ではありません。
国は利益誘導によって事業者を動かし、受け皿が整うと梯子を外すという手法を繰り返してきました。
そして「これからも同じ手法を使う」ということが、様々な検討資料に表れているのです。
また、これから民間資本がグレーゾーンに参入してきますので、医療機関にとってやっかいな存在になりそうです。
国によって保護されていた医療保険制度は残念ながら解体されつつあります。
これら進行する経営環境変化を想定して何に取組むのか?
院長の経営手腕が問われています。
Posted at 06:47