先生はどんな患者に歯科医院に来院して欲しいのでしょうか?
歯科医院にはいろいろな価値観を持った患者が治療に訪れます。
例えば
「予防で定期的に15年通ってくれる無口なAさん。」
「急患でやってきて、痛みがなくなると来なくなるBさん。」
「お金持ちで自費治療を選ぶが、衛生士の指導を実行しないCさん。」
「スタッフから優しくされるのが嬉しくて通い続ける70歳のDさん」
「健康観が高く求めるレベルが高いが、いつも笑顔で友人を紹介してくれるEさん」
「短時間での集中治療が気に入って治療に通うFさん」
「治療技術にこだわっている院長を信頼して治療を続けるGさん」
「歯科恐怖症で、最後の頼みと治療に訪れたHさん」
上記の中でどんな患者が多いでしょうか?
もし、いろんな患者が混ざり合っていてこれといった特徴の患者が見当たらなければ、これから経営で苦戦するかもしれません。
なぜなら患者に「〇〇歯科医院は一言でいえば〇〇」というイメージが地域に定着していないからです。歯科医院のイメージが明確でなくても、う蝕患者が多かった時代は問題がなかったのですが、う蝕患者が減り、患者に選ばれる時代にあっては問題があるのです。
患者の頭の中に「〇〇な歯科医院」というプラスのキーワードが浮かばなければ、患者は友人や家族に話すことはありません。マイナス情報、例えば「院長は無愛想で患者の前でもスタッフに怒る」とか「院長は口を開けば自費治療の良さばかりを話してくる」などはすぐに周りに話すので要注意です。
前者と後者の違いは患者の感情がプラスとマイナスのどちらに動いたかです。感情はマイナスには動きやすいのですが、マイナス感情をともなうエピソードは海馬に記録されやすく、いつもまでも覚えているのです。
でも患者をプラス感情にする為には普通に接していては駄目で、その為の仕組みが必要なのです。
対象を絞らないと口コミは発生しない
患者にプラスの感情を発生させ、口コミを発生させるにはまず、対象を絞る必要があります。この時に注意するのは、対象が広すぎても狭すぎてもいけないということです。
対象を狭く絞った場合、コアターゲットは集められるのですが、歯科医療ニーズが変わると苦戦してしまいます。メインターゲットを広めにしておくことが大切です。
例えば、対象は男性サラリーマン(メインターゲット)で、忙しく駆け回る大企業の課長以上クラス(コアターゲット)とします。そして大企業の課長クラスのニーズを調査して、魅力のあるコンテンツを作りPRするのです。
「誰にでも響くサービスを作ると誰にも響かない」
急患にも健康観が高い患者にも来院して欲しい・・・。そんなメッセージを発信しているホームページが多い様に感じます。しかし、急患が増えてくると健康観が高い患者は逃げ出してしまいます。
ターゲット患者の頭に浮かぶ「〇〇な歯科医院」を院長が決め、それを現実のものとする為に医院の仕組みを変えていくのです。
この時に注意するのはスタッフの意識を変えるのではなく、先ずは「行動」を変えることです。意識が変わるのは理想ではありますが、行動を変えていくなかで徐々に意識は変わっていくものだと思います。
スタッフの行動を変えていく時には、なぜそれをやるのかを一人ひとりに丁寧に説明する必要があります。納得するまで説明して協力を得るようにしなければスタッフは心から動いてはくれません。
コアターゲットに口コミをしてもらうには、口コミをしてもらう商品(サービス)を決める必要があります。もちろん、他の歯科医院では体験できないものでなければなりません。
私は患者層マーケティングを得意にしています。
患者には階層があり、階層によって獲得のアプローチが違うのです。
ターゲットを決め、広告や治療システムを変えていくことで狙いの階層にアプローチすることが可能になります。
どの階層の患者を先生が満足させたいのか?
先ずはそこを明確にしてくださいね。
経営に関するご相談は
Posted at 13:55