平成30年歯科診療報酬改定では衝撃が走りました。
院内感染防止対策に関連して「初診料」「再診料」の改定や「か強診基準の見直し」があり、口腔機能管理という方向性が強化されたからです。
「ライフステージに応じた口腔機能管理の推進」として「小児口腔機能管理加算」や65歳以上の「口腔機能管理加算」が新設され、それに関連する検査も新設されました。
全体を通して「治療中心型」から「治療・管理連携型」への移行を推進する為に診療報酬の評価が見直されました。医学管理料を見て真っ先に感じたのは今後は出来高払いの是正が進み包括点数が増えていくということでした。
予想通り、医学管理料に関わるレセプトの返戻が増えている様ですので、今後の算定には注意が必要です。平成32年の診療報酬支払基金のシステム変更に向けて審査基準の統一が進んでいますので、いままで存在した地域ルールも是正されてていくでしょう。
今後10年の経営戦略が不可欠な時代
今回の改定を受けて「治療・管理連携型」の歯科医院への移行を模索する院長もあれば、まったく興味を示さない院長もいるようです。
私はどちらの方向に進むにしても、今後10年の経営戦略を立てることが不可欠だと考えています。
国は歯科医院の機能分化を推進しようとしていると私は考えています。医科の様に高度な歯科医療を提供できる病院・歯科医院からプライマリケアを担う歯科医院まで、果たす役割によって受取る診療報酬が変わるのです。
今後、「治療・管理連携型」を推進していけば診療報酬は手厚く配分されるでしょう。ただ、国から求められる施設基準は更に高くなっていくことが予想され、歯科医師や衛生士の技術レベルを高め、関連知識の幅も増やしていく必要があります。
いままで以上に他職種との連携が求められますので、関連する業務も増えていきます。
従来通りの「治療中心型」で診療を続けるのであれば覚悟が必要です。
う蝕ニーズは今後も減り続けていくことが予想されるからです。
国が進めている政策の意味
国がやろうとしているのは人生100年時代と2040年問題を見据えて、社会保障制度を見直し、なかでも医療費を減らすことです。歯周病患者を減らしオーラルフレイルや口腔機能発達不全を減らしていくことで、慢性疾患や認知症の改善に繋がることが明らかになってきたので、医療費を減らす為に歯科医院のレベルを高め、診療範囲を拡げたいのです。
また、将来的に人口が減少していきますので、68,000件ある歯科医院を減らす狙いもあります。国が残したい歯科医院は「かかりつけ機能を果たせるレベルの医院」ですので、これから国が課してくる高いハードルを越えられない歯科医院は自然淘汰の対象になっていきます。
さて、先生はどんな戦略で経営をされますか?
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Posted at 10:19