こんにちは。
歯科医院経営コンサルタントの森脇康博です。
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今日のテーマは「働き方改革による歯科医院経営への悪影響」です。
これから①国の政策(少子高齢化+人口減対策)②海外メガ企業の経営戦略、により社会環境が大きく変化し、国民の生活環境や働き方も変わっていきます。
今回は社会環境を変える2つの要因のうちの一つ、国の政策「働き方改革」について書きます。
働き方改革の狙いのうち歯科医院が影響を受ける部分、それは
”いままで働いていなかった人、定年で一度リタイアした人も再び働いて、これからの超高齢化社会を支える”という点です。
働き方改革は国民の生活スタイルに大きな影響を与えます。
そして、それによって平日のお昼に歯科医院に来れる患者が更に減っていくのです。
いまでも「平日の昼にアポの空が生じて、平日夜や土曜日のアポがいっぱいで入らない」という話をよく聞きます。
それに対してどういう手を打つのでしょうか?
平日遅くまで診療し、更に日祝までも診療するのでしょうか?
※働き方改革は歯科医院・勤務ドクター、スタッフの採用面でも影響を及ぼすことに注意が必要です。
実は私は院長の思考をパラダイムチェンジする必要があると考えています。
従来の歯科医療マーケットが縮小していく中で対策を考えても、パイの取り合いを戦術的に考えることになり体力戦になるからです(プロダクトライフサイクルに於ける成熟期に起こる現象。最熟期の先には衰退期しかありません)。
だから従来のマーケットで戦術的に考えるのではなく、戦略的にイノベーション的に考えることをお勧め致します。
従来の歯科需要で考えるのではなく、住民目線で考えればブルーオシャン戦略は存在します。
だから間違ってもレッドオーシャンに舵を切らない様にしなければなりません。
平成30年度診療報酬改定は、未来の環境変化を読んで以前から対策を進めておられた院長の判断が正しかった事を証明しました。戦略的に保険医療制度ではなく、自費診療で計画を進めてこられた院長もおられるでしょう。
このままではいけない事に今回の改定を見て気づき、今から変化を始める医院とのアドバンテージは大きいと思います。やはり先行者利益はリスクを恐れずにチャレンジした人に与えられるものですね。
平成30年度診療報酬改定を見ていまから変化を始める事も、その場に居つづけることも、すべては先生が判断することです。
ただ、何も対策しなければ、更に経営面で影響を受けるのだけは間違いありません。
※毎回の様に書いていますが、地域によって需要も、環境変化の内容もスピードも違いますので、地域の現在の需要と未来の需要をイメージして戦略・戦術を立てられることをお勧め致します。
社会環境を大きく変化させる二つ目の要因「海外メガ企業」の戦略については又の機会に書きたいと思います。
簡単に言えば、①海外メガ企業の戦略は世界中の国家を飛び越えて、直接世界中の人々を動かす力を手に入れている、②国の政策や法律がそれに対応出来ていない、という事です。
海外メガ企業の戦略で地域経済がどういう影響を受け、その事が歯科医院経営にどんな影響を及ぼすかを想定して、経営の変化を始めることが必要なのです。
「風が吹けば桶屋が・・」的な変化はすでに始まっています。
また、国は人口10万人に対し過剰だと判断している歯科医院を減らし始めたと私は考えています。
先ずは、平成30年診療報酬改定の答申を見て、戦術ではなく戦略立案から始められる事をお勧めいたします。
Posted at 07:49